学習コラムColumn
日系企業を目指す場合でも、一定以上のTOEIC®スコアを保有していると、転職活動で有利になることが多くあります。TOEIC®スコアは客観的な英語力を示す指標であり、努力の証明でもあるためです。
しかし「外資系への転職でないならTOEIC®は意味がない」「TOEIC®を受験しなくても転職できた」との声も見られます。
そのため、TOEIC®を勉強するかどうかを迷っている方は多いのではないでしょうか。また、「何点を目安にすべきか」と悩んでいる方もいるかもしれません。
この記事ではTOEIC®が転職時の強みになる根拠や、取得スコア別に得られる評価を解説します。
転職に向けてTOEIC®の受験を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
※記事内の各企業の情報については参考情報になります。最新の情報は、各企業の公式ホームページをご確認ください。
TOEIC®は転職で意味がない?
「TOEIC®は転職で意味がない」といわれる理由は、以下の3つです。
- 企業は英語力よりも仕事ができるかどうかを見るから
- TOEIC®では英語のスピーキング能力が測れないから
- テストの点数が高くても実務の役に立たないから
しかし、TOEIC®で700点や800点以上などハイスコアが応募条件となる企業も多く、その他のスキルや評価が同等なら、TOEIC®のスコアが高い人の方が採用される可能性が高いと言えるでしょう。
TOEIC®が転職時に有利になる4つの理由
転職を考えているなら、TOEIC®のスコアは持っているに越したことはありません。TOEIC®が転職の強みになるという根拠は4つあります。
①アピールできる保有資格になる
TOEIC®は、英語力を測るテストとして日本国内で非常に有名です。
TOEFLやIELTSなどのテストもありますが、TOEIC®の方がより一般的と言えるでしょう。
TOEIC®はその知名度から、転職活動において十分にアピールできる指標になります。
②努力の証明になる
一般的な日本人にとって、TOEIC®のスコアを伸ばすのは容易なことではありません。
そのため、TOEIC®の700点や800点以上などのハイスコアを持つことが自分がTOEIC®に向けて努力してきたことの証明になります。
企業は努力のできる人材を常に探しているため、TOEIC®で高いスコアを保有していることはどの企業に転職する場合にも武器になり得ます。
③英語力の客観的な指標になる
昨今、グローバル化に伴い、英語能力を求める企業も少なくありません。
英語の読み書きが出来ないよりは、出来た方が当然仕事の幅が広がりますよね。
そんなときに、TOEIC®のスコアは英語力の客観的な指標になるため、転職時の強みになります。
④TOEIC®が必要な求人もある
TOEIC®が求人の必須項目になっている場合もあります。
仮に、求人内の募集要項にTOEIC®のスコア600点以上と記載されている場合、当該スコアに達していなければ応募することもできません。
特に将来海外で仕事がしたいと考えている方にとっては、TOEIC®のスコアが必要な企業に就職・転職することは1つの道筋となるでしょう。
短期間でTOEIC®のスコアアップを目指したいなら、まずはTOEIC®のプロに相談しましょう。
【点数別】TOEIC®スコアを活かして働くには何点以上必要?
転職先企業から得られる評価は、保有するTOEIC®スコアによって異なります。
そこで、転職先から受けられる評価を以下の点数別で解説します。
- TOEIC®600点
- TOEIC®700点
- TOEIC®800点
- TOEIC®900点
「商社」「IT企業」などの業界や、「日産自動車」「楽天グループ」といった企業名を挙げながら紹介するので、希望する転職先と照らし合わせて目標点を考えてみてください。
TOEIC®600点
TOEIC®600点は全受験者の平均にあたる点数であり、履歴書に記載するなら最低限取得したいスコアです。
英語に自信がない方や、英語を使わない部署への転職を考えている方は、まずはTOEIC®600点を目指すとよいでしょう。
TOEIC®600点保有者がどの程度の英語レベルか、どんな業界や企業に評価されるのかを具体的に紹介します。
■レベル
TOEIC®600点の英語レベルは、簡単な英語や短いパッセージなら聞き取れる程度です。
複雑な英文の理解はTOEIC®600点では難しいですが、長文であっても大まかには理解できるので、基本的な英会話は成り立つでしょう。
仕事においてTOEIC®600点は、英語を使った事務作業や簡単なメールのやり取りができるレベルです。
ただし、本格的な業務をこなそうとすれば苦労する可能性があります。
■評価される業界
TOEIC®600点を保有していると、主に日系メーカーやIT企業から評価をしてもらえます。
転職サイトで「TOEIC600」で検索したところ、以下の求人が見つかりました。
業界 | 職種(業務内容) |
---|---|
車両メーカー | 物流企画(海外生産部品についての、出荷から船積みまで業務の実行管理など) |
部品メーカー | 法人営業(加工メーカー向けの販売戦略策定や商談など) |
情報通信 | 社内SE(国内外のグループを結ぶネットワークや各種システムのサーバ設計など) |
■評価される企業
TOEIC®600点を評価している企業は以下の通りです。
企業名 | 補足 |
---|---|
日産自動車 | ・TOEIC®600点はシステム開発職への応募の歓迎条件 ・採用ページ内で「選考段階で語学力を確認している」との記載あり |
日立ソリューションズ | TOEIC®600点は営業職への応募の歓迎条件 |
NTTデータグローバルソリューションズ | TOEIC®600点は経理・財務・経営企画職への応募の必須条件 |
TOEIC®600点を保有していると、日系のグローバル企業やそのグループ会社から評価を得やすいといえます。
→TOEIC®600点のレベル・難易度に関するさらに詳しい情報はこちら
TOEIC®700点
TOEIC®700点は全受験者の上位30%ほどにあたる点数です。
履歴書に記載すれば、平均点である600点よりもワンランク高い英語力をアピールできます。
英語に関わる業務を目指す方や、英語力を強みに日系企業への転職を進めたい方は、TOEIC®700点を目標に学習するとよいでしょう。
TOEIC®700点保有者がどの程度の英語レベルか、どんな業界や企業に評価されるのかを具体的に紹介します。
■レベル
TOEIC®700点の英語レベルは、やや複雑な会話ができる程度です。
TOEIC®700点レベルの英語力があれば、英語で意見を述べることや相手に質問することもできます。読み書きなら、ほとんど不自由はないでしょう。
仕事においては、英語を使った事務作業を高い精度で行うことや、海外の取引先とのやりとりが可能です。
■評価される業界
TOEIC®700点を保有していると、商社や旅行・観光業界からの評価を得られます。
転職サイトで「TOEIC700」で検索したところ、以下のような求人が見つかりました。
業界 | 職種(業務内容) |
---|---|
化学商社 | 営業(法人への営業や海外拠点との調整など) |
観光 | ホテルスタッフ(チェックイン・アウト業務や観光案内など) |
家庭用品 | プロダクトリサーチ(消費者ヒアリングや製品の性能確認など) |
■評価される企業
TOEIC®700点を評価している企業は以下の通りです。
企業名 | 補足 |
---|---|
旭化成アドバンス | TOEIC®700点は営業職への応募の優遇条件 |
P&Gジャパン | TOEIC®700点は研究開発職への応募の必須条件 |
ティッセンクルップ・ニューセラ | TOEIC®700点レベルの英語力は営業職への応募の必須条件 |
TOEIC®700点を保有していると、選考に挑戦できる外資系企業も出てきます。
→TOEIC®700点のレベル・難易度に関するさらに詳しい情報はこちら
TOEIC®800点
TOEIC®800点は全受験者の上位15%ほどにあたる点数です。
転職活動時にアピールすれば、十分なビジネス英語力を身につけていると判断してもらえます。
英語が得意な方や英語を直接使う業務を目指す方は、TOEIC®800点を目指すとよいでしょう。
TOEIC®800点保有者がどの程度の英語レベルか、どんな業界や企業に評価されるのかを具体的に紹介します。
■レベル
TOEIC®800点のレベルは、英文の細部まで理解でき、ビジネスシーンでの意見交換などにもほとんど困らない程度です。
仕事においては海外赴任も任されるレベルなので、英語を使う仕事に応募するなら、TOEIC®800点は大きな武器になります。
ただしTOEIC®800点を保有していても、話す・聞くといった実践的な英会話に必要な力が不足することが考えられるので、実力を磨く努力は必要です。
■評価される業界
TOEIC®800点を保有していると、海外事業部のある企業や海外製品を扱う企業からも高く評価されるようになります。
転職サイトで「TOEIC800」で検索したところ、以下のような求人が見つかりました。
業界 | 職種(業務内容) |
---|---|
サービス(ECサイト運営など) | インサイドセールス責任者(クライアントへのサービス提案や戦略立案など) |
アパレル | 社内SE責任者(ECサイト開発におけるマネジメントなど) |
化学メーカー | IT企画責任者(ITメンバーのマネジメントなど) |
■評価される企業
TOEIC®800点を評価している企業を紹介します。
企業名 | 補足 |
---|---|
楽天グループ | ・正社員として入社するにはTOEIC®800点以上が必須 ・社内英語公用語化に伴い、正社員の必須条件に |
ファーストリテイリング | ・ポジションによってはTOEIC®800点が応募条件 ・社内公用語が英語と、英語力を重視する方針 |
クラレ | ・ポジションによってはTOEIC®800点が応募・歓迎条件 ・社内TOEIC®や英語学習の補助を行うなど、英語力を重視する方針 |
TOEIC®800点は、英語を重視しているグローバル企業からも評価される点数といえます。
→TOEIC®800点のレベル・難易度に関するさらに詳しい情報はこちら
TOEIC®900点
TOEIC®900点は全受験者の上位4%ほどにあたる点数です。
取得するのは大変ですが、英語力を軸にキャリアを築いていきたい方は、TOEIC®900点を目標にしてもよいでしょう。
TOEIC®900点保有者がどの程度の英語レベルか、どんな業界や企業に評価されるのかを具体的に紹介します。
■レベル
TOEIC®900点のレベルは、英語において困ることはほとんどなく、複雑な会話もスムーズに行える程度です。
複雑な英語や長いパッセージでも、単語単位の読み取り・聞き取りが可能です。
的確に意見を伝えたり要望に応えたりできるので、英語に深く関わる業務においても、即戦力として活躍できます。
■評価される業界
TOEIC®900点を保有していると、あらゆる業界の外資系企業からも評価してもらえます。
転職サイトで「TOEIC900」で検索したところ、以下のような求人が見つかりました。
業界 | 職種(業務内容) |
---|---|
コンサルティング | 通訳者(社内会議やクライアントとの会議での通訳・翻訳など) |
コンサルティング・アカウンティング | 経営企画(プラットフォームの日本への導入や、クライアントの戦略作成の支援など) |
金融 | シンジケートローン(海外企業向け案件マーケティングやクレジット分析など) |
■評価される企業
TOEIC®900点を評価している企業を紹介します。
企業名 | 補足 |
---|---|
PwC Japan | TOEIC®900点は一部職種への応募の必須条件 |
デロイト トーマツ コーポレート ソリューション | TOEIC®900点は一部職種への応募の必須条件 |
三菱UFJ銀行 | TOEIC®900点は一部職種の応募の歓迎条件 |
ソニー | 一部職種の応募において、TOEIC®900点や英語プレゼンテーションのスキルが歓迎条件 |
TOEIC®900点の実力と実務実績があれば、世界レベルの企業への転職も狙えます。
英語を自身の強力な武器にしたい人は、TOEIC®900点を長期的な目標スコアに据えて学習してください。
→TOEIC®900点のレベル・難易度に関するさらに詳しい情報はこちら
多くの業界で英語力が求められている
ここまでに挙げた業界以外にも、英語力が求められる職種はたくさんあります。
多くの業界・職種で英語力は武器になるといえます。
グローバルで活躍できる人材を求める企業が増えている近年では、客観的に英語力を証明できるTOEIC®は転職の際の大きな武器になります。
TOEIC®のスコアを短期間で上げる方法
この記事をここまで読んでいる方の中には、自分の希望業界・企業への転職のために「今すぐTOEIC®スコアを上げたい」と思われた方もいるでしょう。
ここからは、TOEIC®のスコアを短期間で上げる方法を簡単に解説します。
毎日2〜3時間の勉強時間を確保する
短期間でTOEIC®のスコアを伸ばすためには、毎日勉強することが必要です。
隙間時間を上手に活用して、少なくとも1日2〜3時間は勉強するべきでしょう。
また1日の勉強時間が確保できたら、スケジュールを作り、計画的に勉強することも重要なポイントになります。
TOEIC®スコアアップに適した勉強を行う
TOEIC®のスコアを伸ばすことが目的なら、勉強方法はTOEIC®に特化させる必要があります。
英語力を上げる方法には英会話やドラマ視聴など、様々な方法が考えられます。
しかし英語は使われるシーンなどによって表現が変わります。上記のような勉強方法もTOEIC®のスコアを伸ばすことに貢献しますが、TOEIC®の試験問題の傾向を理解した上で、TOEIC®の頻出単語の暗記や、過去問の勉強を進める方が効率的です。
参考:ETS®TOEIC® TOEIC® DATA&ANALYSIS 2020「2019年度受験者数と平均スコア」
コーチングで短期間でも効率的な学習ができる「プレゼンス」を使おう!
短期間で、本気でTOEIC®のスコアを伸ばしたいという方は英語コーチングスクールの「プレゼンス」の利用をご検討ください。
「プレゼンス」はTOEIC®に特化したカリキュラムを提供しており、目標とする点数によってもコースが分かれています。
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