学習コラムColumn
TOEIC®︎は、国際ビジネスコミュニケーション協会が実施している英語コミュニケーション能力を測るテストで、合計10〜990点の5点刻みで評価されます。
テスト結果は合格・不合格ではなくスコアで表示されるので「現時点での正確な英語力の把握」や「目標設定」が可能となり就職・転職の採用基準にされることもあります。
一般的にTOEIC®︎と表現されるのはTOEIC Listening & Reading Testで「TOEIC®︎ L&R」と表記され、リスニング力とリーディング力を問われるテストです。
この記事では、TOEIC®︎800点がどのようなレベルに相当するのか、正答率や資格としての有効度、勉強時間の目安を解説します。
実際にTOEIC®︎800点を取得した人の体験談も紹介しますので、是非参考にしてください。
TOEIC®︎800点のレベルは?正答率は?
TOEIC®︎800点は「英語が十分にできる」基準スコアです。
「TOEIC®スコアとコミュニケーション能力レベルの相関表」ではA〜Bに位置し、860点を超えるスコアになるとNon-Nativeとして十分なコミュニケーションができます。
通常会話は完全に理解でき、応答スピードも早く、業務で利用する場合にも大きな支障をきたさないスコアで「英検準1級」相当です。
TOEIC®︎800点は上位11%程度
TOEIC®︎800点以上は上位11%程度で、受験者の約10人に1人です。
第285回(2021年12月19日 午後)に実施された公開テストの平均スコア等は以下の通りです。
項目 | リスニングセクション | リーディングセクション | トータル |
---|---|---|---|
最高スコア | 495点 | 495点 | 990点 |
最低スコア | 5点 | 5点 | 10点 |
平均スコア | 334.6点 | 273.1点 | 607.7点 |
標準偏差 | 84.0 | 93.2 | 169.2 |
第285回の平均スコアはリスニング334.6点、リーディング273.1点の合計607.7点です。
TOEIC®︎800点は平均よりも200点ほど高いことが分かります。
次に公開テストとIPテストで795点以上取った人の割合を「2020年度受験者数と平均スコア」で見ていきましょう。
TOEIC®︎には公開テストとIPテスト(団体特別受験制度)の2つの受験方法があります。
IPテストは企業・団体・学校などで受験するものです。
公開テスト(Totalスコア分布)
公開テストの795点以上の割合は17.4%です。
IPテスト(Totalスコア分布)
IPテストでは795点以上の割合は6.1%と、公開テストを大きく下回ります。
- 公開テスト:17.4%
- IPテスト:6.1%
- 平均:11.75%
公開テストとIPテストの平均は11.75%となり、約10人に1人が800点以上であることが分かります。
公開テストとIPテストでは、スコア分布に違いがあります。理由として、2つの受験では受験者層が異なることが考えられます。団体受験の場合は受験の準備が不十分な場合でも受験している可能性があります。一方で、個人受験の場合は、受験料を自分で払うこともあり、しっかり準備してから臨む人が多いのではと考えられます。この受験者層がスコアに影響を及ぼしていると考えられるのではないでしょうか。
参考:TOEIC Program DAA2021 2021年7月版
TOEIC®︎800点の英語力・正答率
「英語活用実態調査2019」によると、ビジネスパーソンの現在の英語スキルの質問において、800点以上の人は約45%で「海外赴任ができる」が最も現在に近いスキルと回答しています。
次に正答率ですが、スコアは1問○点という採点方式ではなく、「スコアレンジ換算表」から割り出します。
スコアレンジ換算表において800点を超えるには、約170問の正答が目安となっています。
リスニング・リーディング各100問、合計200問で構成されているため、正答率は約85%です。
- 正解問題数:約170問
- ミス問題数:約30問
- 正答率:約85%
正答数とスコアの関係は試験回によって異なるため、あくまで目安になります。
TOEIC®︎800点に必要な目安の勉強時間
オックスフォード大学出版は、TOEIC®︎の勉強を教える教員向けに勉強時間の目安を示しています。
現在の点数 | 目標点数350点 | 目標点数450点 | 目標点数550点 | 目標点数650点 | 目標点数750点 | 目標点数850点 | 目標点数950点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
250点 | 200時間 | 425時間 | 700時間 | 950時間 | 1,150時間 | 1,450時間 | 1,750時間 |
350点 | - | 450時間 | 700時間 | 700時間 | 950時間 | 1,225時間 | 1,550時間 |
450点 | - | - | 225時間 | 450時間 | 700時間 | 1,250時間 | 1,550時間 |
550点 | - | - | - | 225時間 | 450時間 | 725時間 | 1,050時間 |
650点 | - | - | - | - | 225時間 | 500時間 | 825時間 |
750点 | - | - | - | - | - | 275時間 | 600時間 |
850点 | - | - | - | - | - | - | 325時間 |
550点台から850点台を目指す場合、およそ725時間の勉強時間が必要になります。
全く英語ができない状態(250点)からでは1,450時間もの勉強が必要になるため、段階を踏んでスコアを上げていくのが良いでしょう。
- 250点からは1,450時間
- 350点からは1,225時間
- 450点からは975時間
- 550点からは725時間
- 650点からは500時間
- 750点からは275時間
TOEIC®︎800点台の人に勉強時間を調査
現在TOEIC®︎スコア800点台を保持している35人に「取得までに合計何時間勉強したか」のアンケートを実施しました。
勉強時間(合計)
勉強時間(合計) | 800~895 | 割合 |
---|---|---|
0時間(していない) | 2 | 5.71% |
1~50時間未満 | 10 | 28.57% |
50~100時間未満 | 8 | 22.86% |
100~300時間未満 | 7 | 20.00% |
300~500時間未満 | 3 | 8.57% |
500時間以上 | 5 | 14.29% |
総計 | 35 | – |
アンケート結果では「1〜50時間未満」が10人と最も多く、「50〜100時間未満」が8人、「100〜300時間未満」が7人と続きます。
一方で500時間以上勉強した人も5人おり、全体の約14%です。
「1〜50時間未満」が多い理由として、海外に居住している人や日常的に仕事で英語を使う人など、英語の勉強時間とは考えてなくても普段から英語を活用する環境にいる人が一定数いるからでしょう。
勉強時間(1日)
1日の勉強時間 | 800~895 | 割合 |
---|---|---|
0時間(していない) | 1 | 2.86% |
1時間未満 | 5 | 14.29% |
1~2時間未満 | 10 | 28.57% |
2~3時間未満 | 13 | 37.14% |
3~4時間未満 | 3 | 8.57% |
4~5時間未満 | 1 | 2.86% |
5時間以上 | 2 | 5.71% |
総計 | 35 | – |
1日の勉強時間では「2〜3時間未満」が13人と最も多く、約37%を占めています。
「1〜3時間未満」が8割以上であることが分かります。
TOEIC®︎800点の企業による評価は?
TOEIC®︎800点は、英語力を証明する資格として有効で企業評価も高いスコアです。
「英語活用実態調査2019」から社員に期待するスコア、昇進・海外出張の要件・参考とするスコアを見ていきましょう。
TOEIC®︎800点は社員に期待するTOEIC®︎スコアを上回る
「英語活用実態調査2019」のデータの社員・職員に期待するTOEIC®︎平均スコアは以下です。
L&R | 新入社員 | 中途社員 | 技術部門 | 営業部門 | 海外部門 |
---|---|---|---|---|---|
スコア | 535点 | 560点 | 560点 | 575点 | 690点 |
新入社員では535点、中途社員・技術部門では560点、営業部門では575点の平均スコアを求められます。
これらを大きく上回る800点は就職・転職において高い評価を得るでしょう。
TOEIC®︎800点台は昇進・昇格や海外出張にも有利
昇進・昇格においてもTOEIC®︎が要件や参考にする企業もあります。
L&R | 係長・主任 | 課長 | 部長 | 役員 |
---|---|---|---|---|
スコア | 515点 | 530点 | 565点 | 600点 |
平均は500〜600点の間であり、昇進・昇格でも800点は有利に働きます。
海外出張・赴任者選抜においても同様にTOEIC®︎スコアを利用している企業もあります。
L&R | 海外出張者 | 海外赴任者 |
---|---|---|
スコア | 620点 | 635点 |
海外出張や赴任の平均スコアはそこまで変わりません。
どちらも600点台前半のため、800点なら問題なく海外出張・赴任が可能なレベルです。
TOEIC®︎700点から800点にする方法
現在700点であり、800点を目指す方法を解説します。
TOEIC®︎860点以上の英語力は最上ランクで「ノンネイティブとして十分なコミュニケーションができる」レベルです。
英語関連の仕事に就くことができ、グローバルな活躍が期待できるため、難易度も高くなっています。
- 勉強時間を増やす
- 勉強プランを見直す
- コーチングを受ける
勉強時間を増やす
TOEIC®︎のスコアに伸び悩んだ場合、勉強時間を増やすことが最もシンプルなアプローチです。
現在750点の方が850点を目指す場合、約275時間の勉強が必要です。
2ヶ月間でスコアアップを目指す場合には、毎日欠かさず約4.5時間、3ヶ月なら約3時間の勉強が目安になります。
単純に勉強時間を増やすだけではなく、自分の課題に適した勉強方法に時間を費やすことが大切です。
通勤・通学や入浴中などの隙間時間を英語の勉強に充てたり、英語の音楽や映画を観賞したりして、日常的に英語に触れられるような環境作りを心がけましょう。
勉強のプランを見直す
計画的な勉強プランでよりスコアアップを図ることが出来ます。
- 2〜3ヶ月単位でまとめる
- 自分のレベルを事前に把握する
- 苦手分野を特定する
- リスニング・文法対策がそれぞれ出来ているかを確認
モチベーションを保つためには短期(2〜3ヶ月)の勉強スケジュールを組むことが鉄則です。
現在のレベルや苦手分野を事前把握するために、本番を想定した演習をしましょう。
リスニング対策では、Transcript(英語スクリプト)付きの教材を徹底的に聞き込み、速聴や音読、シャドーイングも有効です。
英語のニュースの聞き流しでネイティブな発音に慣れましょう。
文法では参考書を徹底的に読み直し、学生レベルを完璧にすることで大幅な点数アップも見込めます。
闇雲に勉強するのではなく、試験の分析も重要です。
英語コーチングを受ける
最後に推奨するのが、英語指導のコーチングを受けることです。
TOEIC®のスコアアップには、上述した勉強スケジュールの作成や苦手分野の特定など、多くのタスクをこなす必要があります。
また、短期間で目標スコアに到達するには高いモチベーションも必要です。
英語コーチングなら1人ひとりのレベルに合わせたコーチングで目標スコア達成をサポートしてくれ、モチベーションが維持できるよう、働きかけてくれます。
短期間でTOEIC®のスコアアップを目指したいなら、まずはTOEIC®のプロに相談しましょう。
TOEIC®︎800点を取得した方の勉強方法・体験談
実際にTOEIC®︎で800点台を取得した人に勉強方法・体験談、履歴書への記載有無に関するアンケートを実施しました。
勉強方法・体験談を紹介
800点台を取得した人に勉強方法・体験談を紹介します。
- リスニングはアプリを使いましたが、TOEIC®︎向けの勉強をするよりは大量に英語ニュース、洋楽、映画などを聞き、英語に慣れました。リーディングもTOEIC®︎問題も解きましたが、英語で多くの新聞記事を読み速読力をつけました。YouTubeなどの動画で、問題の解き方も学びました。
- 通勤時間にnative speakerの雑談のPodcastを聞き、ひたすらシャドーイングを行った。
- 当社では入社試験に英語が有り、私が入社した当時はTOEIC®︎では無く会社独自のテストでしたが、TOEIC®︎スコアで700点以上無いと入社出来ませんでした。38歳の時に管理職登用試験がありTOEIC®︎スコアで750点以上が必要でした。勉強は社内管理職研修と、テキスト(リスニングは講師とCDを利用、文法、リーディングはテキストを利用しましたが、身近に講師がいたのでスムーズに勉強出来ました)を利用しました。研修の後に毎回テストがあり習熟度合いが分かるので短期間で800点を超えたと思います。
通勤時間にリスニング、帰宅後に問題集と時間を区切って効率よく勉強している人や、英語のニュースやラジオ、動画サイトを活用している方が多くいます。
TOEIC®︎800点は高いスコアであるため、入社や昇進・昇給にも対応できます。
ここまで、TOEIC®800点をとった人の勉強方法をご紹介してきましたが、人によって適した勉強方法は千差万別です。
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履歴書に記載した?
次に履歴書に記載した・記載しなかった理由を紹介します。
- 記載した。英文事務の仕事なので、あらかじめTOEIC®︎の点数が求められていたため。
- 記載した。850点以上は就職に非常に有利であるという情報をネットで知りました。スコアは自分でも期待以上のものでしたので、他に取り柄のない自分には非常に有力な武器になりました。その後2度転職をしましたが面接ではTOEIC®︎スコアを褒められ、面接に落ちたことはありません。
- 記載しなかった。TOEICの点数が重要でない仕事だったから。
記載した理由は、入社条件に必須スコアがあったり、英語を武器としてアピールしたいというものです。
記載していない理由は、英語を利用する業種でなかったり、すでに勤めている人が大半でした。
TOEIC®︎800点は英語力のアピールができるスコア!就活や転職を有利に進めよう
TOEIC®︎800点は「英語ができる」基準スコアです。
就職・転職だけでなく、昇進や海外出張等においても強力な武器になります。
ただし初心者の方が800点を目指す場合、多くの勉強時間や適切なプラン作成が必要です。
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永田 勝也
Katsuya Nagata
英国Lancaster大学院TESOL(英語教授法)修士課程卒。英検1級、TOEFL107、IELTS 7.0、TOEIC950所持。
大学卒業後、大手英語教育機関で英語教育に携わる。同社を退職後、日本語教育に従事することを決意。日本語教師の資格取得後、ベトナムで、現地の日本語教育機関で日系企業への内定者研修を中心に400人以上に語学指導を行う。その後フルタイムで働きながらもTESOL(英語教授法)修士課程を修了。32歳のときに開発学分野Sussex大学のInternational Education and Developmentコースに無条件合格。
10年以上英語教育に携わる中で語学コーチングが言語習得における最先端だと確信し、勉強法の提案やスケジューリングなど、さまざまな面から英語コーチングを行う。