TOEIC®︎900点のレベルは?900点のすごさやメリットを解説

会議中の人々

TOEIC®︎は、国際ビジネスコミュニケーション協会が主催する英語コミュニケーション能力を測る試験です。

一般的にTOEIC®︎と表現されるのはTOEIC®︎ Listening & Reading Testのことで「TOEIC®︎ L&R」と表記されます。

テストの内容はリスニング100問・リーディング100問で、スコアは合計10〜990点の5点刻みで評価されます。

試験結果は、英検のように合格・不合格ではなくスコアで表示されるため、「現時点での正確な英語力の把握」や「目標スコア設定」が可能です。ビジネスの現場で活用できる英語力を伸ばせる資格であるため、就職・転職に活用することができます。

本記事では、TOEIC®︎スコア900点がどのようなレベルに相当するのか、正答率や就職・転職での活かし方、勉強時間の目安を解説します。

実際に900点を取得した人の勉強法や履歴書に関しての話も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

TOEIC®︎900点のレベル

900点のレベルの画像
TOEIC®︎スコア900点を取得すれば、国際的なビジネスの現場で円滑なコミュニケーションが可能であることが示せるでしょう。

ヨーロッパの外国語学習者の習熟度を表すCEFRレベルに換算すると、A1~C2の6段階の言語力レベルのうち、B2以上に相当します。

TOEIC®︎900点の英語力は、専門外の話題であってもある程度理解でき、適切な表現で応対できるレベルです。

ただし、TOEIC®︎ L&Rテストは、リーディングとリスニングの2技能のテストです。スピーキング能力やライティング能力は評価されていない点には留意しましょう。

スコア分布のデータから、TOEIC®︎900点の難易度を見ていきましょう。

TOEIC®︎900点の難易度

TOEIC®︎900点以上取得した人は、おおよそ上位5%程度です。

第339回公開テスト(2023年11月19日 午後実施)の平均スコアは以下の通りです。

項目 リスニングセクション リーディングセクション トータル
最高スコア 495点 495点 990点
最低スコア 5点 5点 10点
平均スコア 328.8点 266.3点 595.1点
標準偏差 83 93.6 168.5

参照:【公式】TOEIC Program|IIBC「平均スコア・スコア分布 詳細 (第339回)|TOEIC Listening & Reading Test 公式データ・資料」|

第339回公開テストの平均スコアはリスニング328.8点、リーディング266.3点の合計595.1点です。

TOEIC®︎900点は、平均よりも300点ほど高いことが分かります。

次に公開テストとIPテスト(団体特別受験制度)で895点以上取った人の割合を「TOEIC®︎ Program DATA & ANALYSIS 2023」で見ていきましょう。

TOEIC®︎には公開テストとIPテストの2つの受験方法があり、IPテストは企業・団体・学校などで受験するものです。

公開テスト(Totalスコア分布)

公開テストの895点以上の人の割合は4.2%です。

参照:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC®︎ Program DATA & ANALYSIS 2023 2022年度受験者数と平均スコア」

IPテスト(Totalスコア分布)

IPテストでは895点以上の人の割合は1.9%と、公開テストを大きく下回ります。

公開テストとIPテストの平均点に差がある理由の1つとして、受験者自身の受験意志の違いが挙げられるかもしれません。

公開テストは受験者自身が希望して受験しますが、IPテストは学校や職場で強制的に受験させられるケースが多いため、IPテストの平均点のほうが低い傾向にあると考えられます。

参照:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC®︎ Program DATA &ANALYSIS 2023 2022年度受験者数と平均スコア」

TOEIC®︎900点と英検を比較

TOEIC®︎900点は、英検の級で換算すると準1級以上です。前述の通り、TOEIC®︎900点をCEFR区分で換算するとB2に相当します。

参照:文部科学省「各試験団体のデータによるCEFRとの対照表」

TOEIC®︎900点とTOEFL®を比較

TOEIC®︎900点は、TOEFL iBT®︎で換算すると、スコア72〜94点相当です。

TOEFL iBT®︎は、日本ではTOEIC®︎ほど有名な英語試験ではありませんが、英語圏以外の人が英語圏へ留学する際、英語力を証明するために受験します。TOEFL iBT®︎スコアは、入学、奨学金などの基準として用いられます。

参照:文部科学省「各試験団体のデータによるCEFRとの対照表」

TOEIC®︎900点の英語力・正答率

「英語活用実態調査2019」によると、TOEIC®︎800点以上の人の約45%が「海外赴任できる」が現在の英語スキルに最も近いと回答しています。

「通訳なしでの海外出張に1人で行ける」と回答した人も20%近くおり、語彙・文法・構文のいずれも正確に把握し、流暢に駆使することができる英語力です。

しかし、一般的にTOEIC®︎試験といえば、TOEIC®︎ L&Rを指します。TOEIC®︎ L&Rではスピーキング力とライティング力は問われません。単純に900点を取得したからといって、英語が話せるようになっているわけではない点には注意してください。

続いて正答率についてみていきましょう。TOEIC®︎900点の正答率ですが、スコアは1問○点という採点方式ではなく「スコアレンジ」から換算されます。

スコアレンジ換算において900点を超えるには、181〜184問の正答が目安となっています。

200問中19〜16問のミスに抑える必要があり、正答率約90.5〜92.0%が求められます。

  • 正答問題数:181〜184問
  • ミス問題数:19〜16問
  • 正答率:約90.5〜92.0%

なお、正答数とスコアの関係は試験回によって異なるため、あくまで目安になります。

参照:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「英語活用実態調査2019 企業・団体 ビジネスパーソン」

TOEIC®︎900点のすごさ・取得のメリットとは?

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TOEIC®︎900点は、最高得点990点に近い高得点です。TOEIC®︎はビジネスシーンでの実践的な英語力を測定する試験であるため、900点取得者は、就職・転職・昇進時に非常に有利です。

プレゼンテーション資料や契約書などの複雑な文書、海外企業との電話会議での会話内容を的確に理解できると判断されるでしょう。

ここでは900点を取得した場合のメリットについて詳しく見てみます。

就職・転職活動で評価される

一般的に、就職活動の際に履歴書に書けるTOEIC®︎スコアは500点以上であり、企業で評価されるのは600点以上とされます。

900点を取得していると、強く英語力をアピールできるでしょう。求人が英語を使う職種であれば、他の求職者よりも即戦力として評価され、書類選考に通過する確率は高まります。

昇進・昇給・海外赴任のチャンスが増える

会社員の場合、社内での異動や昇進の際の基準の1つとしてTOEIC®︎のスコアを求められることがあります。

TOEIC®︎900点を取得していれば、昇進・昇給や海外駐在のチャンスのある企業も多く存在します。

受験で評価される

希望大学が指定するTOEIC®︎スコアを取得すれば、大学入試優遇制度を活用できます。

TOEIC®︎900点を取得していれば、TOEIC®︎スコアを優遇制度に活用している多くの大学の入学要件を満たすでしょう。

例えば、秋田大学国際資源学部では、TOEIC®︎ L&Rスコアが730点以上であれば、個別学力検査の英語科目が免除され、英語科目は満点と換算して合否判定されます。

参照:国立大学法人秋田大学「令和5年度 一般選抜学生募集要項」

TOEIC®︎900点に必要な英語力

英語力の画像
TOEIC®︎900点に到達するためには、試験時間2時間で200問全てを解き終える解答スピードと、200問中181~184問正答する英語力が必要です。

正答数から考えても、Part1~6までほぼ全問正答できる英語力がなければ900点への到達は難しいでしょう。

また、最難関である長文読解問題のPart7の解答スピードが、900点到達のカギとなります。

単語数

TOEIC®900点突破に必要な単語数は、10,000語以上といわれています。TOEIC®︎向けの単語帳に収録されているハイレベルな単語も把握していなければなりません。

TOEIC®︎試験はスピードが要求される試験です。単語を見た瞬間に意味が浮かぶくらい記憶に定着させることが大切です。

文法レベル

TOEIC®︎の試験の中で文法知識が特に問われるのは、Part5です。Part5は、短文穴埋め問題であり、他のパートと比べて非常に得点が取りやすいパートといわれています。

TOEIC®︎900点を取得する人は、Part5は満点でなければなりません。Part5で満点が取れなければ、TOEIC®︎900点は難しいスコアでしょう。

TOEIC®︎900点に必要な勉強時間

オックスフォード大学出版局は、TOEIC®︎の教員向けに勉強時間の目安を示しています。

現在の点数 目標点数350点 目標点数450点 目標点数550点 目標点数650点 目標点数750点 目標点数850点 目標点数950点
250点 200時間 425時間 700時間 950時間 1,150時間 1,450時間 1,750時間
350点 325時間 450時間 700時間 950時間 1,225時間 1,550時間
450点 225時間 450時間 700時間 975時間 1,300時間
550点 225時間 450時間 725時間 1,050時間
650点 225時間 500時間 825時間
750点 275時間 600時間
850点 325時間

参照:Oxford University Press「A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success」

表からみてわかるように、950点を撮るためには現在の点数別で多くの勉強時間が必要です。

  • 250点からは1,750時間
  • 350点からは1,550時間
  • 450点から1,300時間
  • 550点からは1,050時間
  • 650点からは825時間
  • 750点からは600時間
  • 850点からは325時間

平均スコア付近である550点から950点を目指す場合、およそ1,050時間の勉強時間が必要になります。

全く英語ができない状態である250点からでは1,750時間もの勉強が必要になるため、まずは段階的にスコアアップを目指すのがよいでしょう。

TOEIC®︎900点を取るための勉強方法

TOEIC®︎900点を目指す人は、正答率の高い問題は全てミスなく正答できる英語力がすでにある人が多いでしょう。

ですから、TOEIC®︎900点を取るためには、各パートに出題されている正答率が低い難問も取りこぼさずに正解しなければなりません。

このような難問をクリアするためには、TOEIC®︎990点を目標にする参考書など、難問だけを集めた問題集を選び、難問の出題パターンに慣れましょう。

過去問を繰り返し解く

目標スコアに限らず、TOEIC®︎の出題傾向がつかめるほど繰り返し過去問を解くことが、高得点を取る近道です。

苦手なパートがあれば、該当パートに特化した参考書を選び、不正解だった問題を繰り返し解きましょう。

多くの問題に触れることで、出題された単語も問題文とともに自然に覚えられます。

試験直前は、模擬試験を本番と同じ試験時間で解き、各パートの時間配分を確認しましょう。TOEIC®︎試験を主催するETS®︎が制作したTOEIC®︎公式問題集がおすすめです。

英語に耳を慣れさせる

TOEIC®︎900点を取得するためには、リスニングセクションも重要な得点源です。ケアレスミスなどで取りこぼすことのないように、日頃から英語ニュースなどに触れ、英語に耳を慣らしておきましょう。

リスニング問題の中には、正答率が低い難問がいくつか出題されます。リスニング音声に出てくる単語が聞き取れるだけでは正解できない問題です。

そのような難問も全問正解できるリスニング力がなければ、900点突破は難しいでしょう。

英語コーチングを受ける

最後に推奨するのが、英語指導のコーチングを受けることです。

TOEIC®のスコアアップには、上述した勉強スケジュールの作成や苦手分野の特定など、多くのタスクをこなす必要があります。

短期間で目標スコアに到達するには高いモチベーションも必要なので、独学で900点に到達することは難易度が高いです。

英語コーチングなら一人ひとりのレベルに合わせたコーチングで目標スコア達成をサポートしてくれます。

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【アンケート】実際にTOEIC®︎900点を取った人の体験談

体験談の画像
実際にTOEIC®︎で900点台を取得した人に勉強方法・体験談、履歴書への記載の有無に関するアンケートを実施しました。

勉強方法・体験談

900点台を取得した人の勉強方法・体験談を紹介します。

  • 普段から英語を使う仕事で、文法や単語もあまり不安はなかったので、とにかくTOEIC®︎の問題形式に慣れることを意識しました。具体的には公式問題集を1カ月前に購入し、全て本番と同じ時間配分で解く練習をしました。追加でリスニング対策として耳を慣らすためTED動画を5本ほど字幕なしで見ました。
  • 単語帳や問題集は使用せず、TOEIC®︎対策用のWebサイトを活用した。公式問題集については、試験の2週間前に時間を計って取り組んだ。
  • TOEIC®︎だけのための勉強はしていなかったが、通学時間に英熟語の本についていた付録CDでひたすら英語を聴いて耳を慣らしていた。当時使っていたゲーム機のTOEIC®︎ソフトでも勉強をしていた。

すでに英語の基礎知識がある人が多く、公式問題集やWebを活用して試験対策に力を入れています。

通勤時間にリスニング、帰宅後にリーディングと、時間を区切って効率よく勉強している人や、英語のニュースやラジオ、動画サイトを活用している人が多くいました。

TOEIC®の点数を履歴書に掲載したか

次に履歴書に記載した・記載しなかった理由を紹介します。

  • 当時の第一志望の企業でTOEIC®︎860点以上が必須条件となっていたため、就活時の履歴書に記載しました。
  • 就職の際、募集要項に「TOEIC®︎700以上の方歓迎」とあったので、書いたほうが有利になると思い履歴書の資格欄に記入しました。
  • 外国語学部卒業という履歴のため、低い点数で履歴書に記載するのは避けたかったので、900点は取りたいと考えて勉強していました。私の通った大学では卒業までに全員が800点を目指していたのでそれよりは上に行きたいと思っていて、これだけの点数があれば有利になるという思いで記載しています。

900点以上を取得している人は、ほぼ全員が履歴書に記載しています。

900点以上のスコアは採用条件をクリアしているため、就職や転職が有利になる場合がほとんどです。記載しなかった人は、履歴書自体が不要のフリーランスでした。

TOEIC®︎900点取ったら次に目指すこと

TOEIC®︎900点を取得できたら、さらに満点の990点を目指して勉強を継続したほうがよいのでしょうか。

900点の正答率はすでに約90.5〜92%です。残りわずか5~8%分の正答率を上げるための勉強をするより、他の英語資格に目を向けたほうが学べる分野が広がるでしょう。

前述の通り、TOEIC®900点レベルは、英検準1級、TOEFL iBT®スコア72〜95点相当です。そのため、次に目指すのは、英検なら1級、TOEFL iBT®なら95〜120点と決めてもいいでしょう。

TOEIC®︎900点で英語力のアピールができる! 就活や転職を有利に進めよう

TOEIC®︎900点は、最高得点990点に近い高得点です。採用時の書類選考において英語力を理由に落とされることはないでしょう。

総合商社の海外事業部門や国際法務部門、外資系企業など、業務で英語を使う頻度が高いポジションほど、英語力は即戦力として評価されます。他の求職者よりも就職・転職を有利に進めることができるでしょう。

海外赴任や年収アップも見込める申し分のないスコア帯です。

ただし、900点を目指す場合、多くの勉強時間や適切なプラン作成が必要です。社会人が仕事終わりに十分な勉強時間を確保するのはなかなか難しいかもしれません。

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