学習コラムColumn
TOEIC®は200問を2時間で解く試験です。
他の英語資格と比べると試験時間に対して問題数が多く、要領よく解かなければ試験時間内に全問解答することはできません。瞬発力や情報処理能力が求められる試験といえるでしょう。
本記事では、試験で時間管理ができなかった人や、パート別にどのくらいのペースで解けばよいのか知りたい人に向けて、TOEIC®の各Partの時間配分を詳しく説明します。
試験本番直前にも役立つのでぜひ参考にしてください。
※記事内のTOEIC®︎表記はTOEIC®︎ L&Rのことを指します。
TOEIC®で時間配分が大切な理由
TOEIC®は、試験時間に対して問題数と読む英文の量が多いのが特徴です。特にリーディングセクションは、試験時間75分で100問出題されます。
パートごとに解答時間が決められていないため、受験者自身で各パートに費やす時間を管理しなければなりません。
適切な時間配分ができなければ、試験時間内に全問解答することは難しいでしょう。
TOEIC®リスニングの時間配分|Part別
リスニングセクションの時間配分は以下の通りです。
Part | 問題形式 | 問題数 | 試験時間 |
---|---|---|---|
Part1 | 写真描写問題 | 6問 | 3分 |
Part2 | 応答問題 | 25問 | 9分 |
Part3 | 会話問題 | 39問 | 17分 |
Part4 | 説明文問題 | 30問 | 16分 |
Part2のみ3択問題で、Part1,3,4は4択問題です。
リスニングの音声に従って解答すればよいため、リーディングセクションと比べると、受験者自身が時間配分を管理する必要はあまりありません。
それではPart別に詳しく見ていきましょう。
TOEIC®Part1の時間配分と解き方のポイント
Part1は6問出題され、試験時間は約3分間です。
Part1は、1枚の写真を見て適切な説明文を選択する問題です。写真のうち、人物が中心の写真が4~5枚で、残りの1~2枚は、日常生活やオフィスなどのよくある風景の写真が出題されます。
最初の約90秒間は、Part1の説明であるDirectionsがあるので、その間に6枚の写真に目を通しておきましょう。「この写真なら英語でどんな説明がされそうか」を人物の動作や物の名前から、英語で推察します。
事前に目を通すことで、実際の音声が聞き取りやすくなるでしょう。
TOEIC®Part2の時間配分と解き方のポイント
Part2では25問出題されます。試験時間は約9分間です。
Part2は、問いかけ(質問もしくは発言)に対する適切な応答を3つの選択肢から選ぶ問題です。
英語の疑問文は特に文頭の疑問詞を正しく聞き取る必要があります。「When」と「Where」など、発音が似ているものは、混同しないように注意しましょう。
またPart2は、問題冊子に文字や図の情報がありません。そのため音声のみに集中する必要があります。集中力を切らせて音声を聞き逃さないようにしましょう。
TOEIC®Part3の時間配分と解き方のポイント
Part3は、会話を聞いた後に設問3つに解答します。会話は13セット出題され、各会話につき設問が3つ出題されるため、合計で39問です。試験時間は約17分です。
設問と選択肢は問題冊子に掲載されているので、音声が流れる前に設問文を先読みして聞き取りのポイントを把握するとよいでしょう。
会話1セットが終わった後、次の問題の音声まで約8秒前後の空白の時間があります。その間に次の設問を先読みしましょう。
選択肢まで目を通せると、どのような場面での会話なのかが想定できます。最低でも最初の設問だけでも先読みしましょう。
TOEIC®Part4の時間配分と解き方のポイント
Part4の試験時間は約16分です。1人の話者によるトークを聞いて設問3つに解答します。
トークは10セット出題され、各トークにつき設問が3つ出題されるため、合計の問題数は30問となります。
Part3と同様、音声が流れる前に設問を先読みするのが効果的です。次の設問の音声まで約8秒前後の空白の時間があるので、その間に次の設問を先読みするようにしましょう。
時間に余裕があれば、何についてのトークなのかを想定しながら3つの設問すべてに目を通しましょう。
より詳細なTOEIC®のリスニング対策に関しては、下記の関連記事をご確認ください。
関連記事:プレゼンス「TOEIC®リスニング対策! 勉強法やコツ、聞き取れない理由を紹介」
TOEIC®リーディングの時間配分|Part別
リーディングセクションの目安の時間配分は以下の通りです。
Part | 問題形式 | 問題数 | 目安回答時間 |
---|---|---|---|
Part5 | 短文穴埋め問題 | 30問 | 10~15分 |
Part6 | 長文穴埋め問題 | 16問 | 8〜10分 |
Part7 | 1つの文書(シングルパッセージ) | 29問 | 50~55分 |
複数の文書(マルチプルパッセージ) | 25問 |
受験者の目標スコアや英語力によって最適な時間配分は異なるため、時間配分の大まかな目安として捉えてください。
また、Part7の長文問題は、問題数も多く回答に時間がかかります。そのため、Part5とPart6をできるだけ素早く解き、Part7の解答時間を確保するとよいでしょう。
TOEIC®Part5の時間配分と解き方のポイント
Part5は、語彙、品詞、文法に関する問題が30問出題されます。解答時間の目安は10~15分であるため、1問あたり30秒程度で解答するのが理想です。
Part5は、文中の空所に適切な語や句を選ぶ問題です。出題パターンがある程度決まっており、攻略しやすいパートといえるでしょう。
空所の前後を読むだけで即答できる問題も多いのが特徴です。900点以上の高得点を狙う人は、後のパートに時間を残すためにも、10分以内に解答することを目標にしましょう。
TOEIC®Part6の時間配分と解き方のポイント
Part6は、1つの文書にある4つの空所に適切な語や句を選ぶ問題です。16問出題され、解答時間の目安は8~10分であるため、1問あたり40秒程度での解答が理想です。
空所を含む文章は、その1文だけでは解答できませんが、全文をしっかり読まなくても空所の前後の文を読むだけで解ける問題が多いのが特徴です。
なるべく全文を読み込もうとせず、空所前後の文を見て解答すると、1問40秒以内で解けるでしょう。
TOEIC®Part7の時間配分と解き方のポイント
Part7は、1つの文書(シングルパッセージ)または複数の文書(マルチプルパッセージ)を読み、文書に関する複数の設問に4つの選択肢から正解を選ぶ問題です。
Part5を10分、Part6を10分とで解答できていれば、Part7の解答時間は約55分確保できます。
Part7の解答時間を55分とすると、シングルパッセージ29問は1問あたり約60秒、マルチプルパッセージ25問は1問あたり約68秒で解くことが求められます。
文書にざっと目を通し要点を把握したら、設問を読み、解答が文書のどのあたりに書かれているか見当をつけます。再び文書に戻り、解答が書かれていると予想される箇所の文章を読み、設問の選択肢を選ぶとよいでしょう。
目安の時間内に解くためには、優先的に解く問題を決め、文書からキーワードで情報を見つけるのがポイントです。
より詳細なTOEIC®のリーディング対策に関しては、下記の関連記事をご確認ください。
関連記事:プレゼンス「TOEIC®のリーディング対策|時間配分やパート別のコツを解説」
TOEIC®の時間配分を意識して解く3つのコツ
ここまで、各パートの時間配分の目安と解き方のポイントについて解説しました。
では、TOEIC®で適切な時間配分を実現するためには、具体的にどのような対策をとらなければならないのでしょうか。
ここでは、TOEIC®の時間配分を意識して解くコツとして以下の3点について解説します。
- 文章の速読力をつける
- 場合によっては諦める判断をする
- TOEIC®の本番を想定して時間配分の練習をする
それぞれ見ていきましょう。
文章の速読力をつける
上述した通り、TOEIC®は試験時間に対して解答する文章の量が多い試験です。ある程度の速読力を身につけなければ、Part7まで解き切ることは難しいでしょう。
速読力がつけば、文章を読む時間を短縮できる分、設問の選択肢を選ぶ時間を長く取れるようになり、結果として正答率を上げることができます。
文書の速読力を身に着けるためには、語彙力を増やし、英語を日本語に訳さずに読めるようになることが必要です。
また、大量の英語の文章に触れて、英単語の意味を推察できるようになることも、速読力を身に着けるためには大切です。大量の文書を読む際、モチベーション維持のために、洋書を読んで速読トレーニングをしていくのも良いかもしれません。
常に読むスピードを意識し、英語を英語の語順で理解する訓練をすることで速読力を身につけましょう。
速読力が上がれば、Part7の長文への抵抗感もなくなるでしょう。
TOEIC®の勉強法については下記の関連記事でも詳しく解説しているので、ぜひ確認してみてください。
関連記事:プレゼンス「TOEIC®の勉強法は?やるべき3つのことや勉強手順を解説」
場合によっては諦める判断をする
分からない問題があった場合は、その問題に固執せずに諦めることも必要です。分からなければ、解答用紙の(A)~(D)のどれかにマークをし、次の問題へ進みましょう。
1問に時間を費やしてしまうと、点が取れるはずの問題にたどり着けず、結果としてスコアが下がってしまう恐れがあります。
また、想定していた残りの問題の時間配分も崩れてしまうでしょう。自分のレベルで解ける問題を確実に正解することが重要です。
TOEIC®の本番を想定して時間配分の練習をする
試験本番で適切な時間配分ができるようになるためには、過去問などの問題集を使い、本番と同じ試験時間で解く訓練が不可欠です。
時間配分を意識して繰り返し解くことで、解答時間が不足する苦手なパートを特定できるでしょう。
苦手なパートが分かれば、自分にとって、最大限高得点を取るための最適な時間配分を設定しやすくなります。
時間配分の練習にはTOEIC®公式問題集がおすすめです。TOEIC®テストを実施しているETSが作成している問題集のため、実際の試験傾向が反映されています。
TOEIC®は時間配分が大切! パートごとに時間を意識して試験に挑もう
本記事では、TOEIC®の各パートの時間配分および適切な時間配分を意識するコツを詳しく解説しました。
リスニングセクションは音声に従って解答を進めることができるので、時間配分はあまり気にしなくてもいいですが、45分間集中力を途切れさせないようにしましょう。
リーディングセクションでは、Part5とPart6をできるだけ速く解いて、Part7の長文読解に時間をかけられるようにしましょう。
ただし、Part7は他のパートより圧倒的に解答に時間がかかります。目標スコアによっては、Part7のいくつかの問題は取捨選択が必要かもしれません。
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