学習コラムColumn
TOEIC®︎は、英語が母国語ではない人を対象にした、英語コミュニケーション能力を測るテストです。
TOEIC®︎の採点は合計10~990点の5点刻みで行われます。受験者にとって自分の実力を正確に知ることができるだけでなく、目指すべき目標スコアを設定しやすいというメリットがあります。
応募者の英語力を判断するための基準としてTOEIC®︎を使う企業も多いです。
この記事では、履歴書に書いて評価されるスコアが何点からか、履歴書への書き方、書く際の注意点について解説します。
TOEIC®の点数を履歴書に書いて、評価されるのは何点から?
履歴書に書けるTOEIC®のスコアは企業によって異なり、一般企業であれば650点、外資系やグローバル企業であれば700点が最低ラインとされています。
一般企業、外資系・グローバル企業それぞれにおいて、履歴書に書けるスコアについて見ていきましょう。
一般企業の場合
一般企業に応募をする際に、TOEIC®のスコアを履歴書に記載するということであれば、少なくとも650点以上は欲しいところです。
下記表は、直近でのTOEIC®公開テストの平均スコアをまとめたものです。統計から、おおよその平均点は600点であることが分かります。
実施回 | リスニング | リーディング | 合計 |
---|---|---|---|
第293回 | 331.7点 | 282.4点 | 614.2点 |
第294回 | 334.9点 | 280.8点 | 615.7点 |
第295回 | 324.4点 | 278.0点 | 602.4点 |
第296回 | 324.5点 | 277.5点 | 601.9点 |
第297回 | 324.8点 | 270.7点 | 595.5点 |
第298回 | 330.1点 | 279.3点 | 609.4点 |
第299回 | 325.5点 | 269.6点 | 595.1点 |
参照:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧」
上記の数字から、650点以上あれば平均以上の英語力があることを履歴書上でアピールできるということになります。
また、プレゼンスで、TOEIC®600~695点の所持者42人を対象に、スコアを履歴書に記載したかについて独自のアンケートを行ったところ、下記のような結果となりました。
回答内容 | 人数 | 割合 |
記載した | 25人 | 59.5% |
記載していない | 17人 | 40.5% |
記載した理由として、「650点以上だと履歴書に記載できると聞いたから」「650点以上だったので、最低限の英語力があることを証明できるから」という回答がありました。
600点未満の場合、履歴書に記載した人は過半数を割っており、アンケート結果からも一般的に600点を超えると履歴書に記載することが多くなるようです。
外資系やグローバル企業の場合
外資系やグローバル企業に応募をする際に、履歴書にTOEIC®のスコアを書くためには、最低でも700点が必要です。なぜなら、ビジネスで通用する英語力の目安スコアと言われているからです。
TOEIC®700点は、英語力レベルについての国際指標「CEFR」におけるB1レベルに該当します。
B1は下記のことが自分でできるレベルです。
- 職場、学校、娯楽の場で普段から見聞きするような身近な話題について、明瞭かつ標準的な話し方をしてもらえれば要点を理解できる
- その言語が話されている地域を訪れている際に起こるであろう、たいていの事態に対応できる
- 自分にとって身近で関心のある話題について、意味の通じるシンプルな文章を作成できる
- 経験、出来事、夢や目標について簡潔に語ることができ、自分の意見や計画についての簡単な説明ができる
TOEIC®700点以上のスコアは、パイロット、ファンドマネージャー、秘書といった職種でも求められることがあります。
また、海外との取引が多い日系グローバル企業でも700点以上を基準にしている場合があります。
例えば、日系グローバル企業である、伊藤忠アビエーション株式会社の新卒採用ではTOEIC®700点が推奨されています。
このように、日系企業でも企業によっては700点以上が求められることがわかります。
参照:Council of Europe「Global scale – Table 1 (CEFR 3.3): Common Reference levels」
参照:新卒採用|採用情報|企業情報|伊藤忠アビエーション株式会社
TOEIC®スコアの履歴書への書き方
TOEIC®のスコアは、履歴書の「資格」欄、または「免許・資格」欄に記入しましょう。「TOEIC® Listening & Reading Test」と記載すれば公開テストを受けたことが分かります。
下記のように、受験した年月、試験の正式名称の「TOEIC® Listening & Reading Test」と点数を記入します。
年 | 月 | 免許・資格 |
2022 | 7 | TOEIC® Listening & Reading Test 700点取得 |
(Listening 360/495点、Reading 340点/495点) |
次にTOEIC® IPテストとTOEIC® Bridge、TOEIC® Speaking & Writingの3パターンの書き方を紹介します。
TOEIC® IPテスト
TOEIC® IPテストとは、個人ではなく、学校や企業といった団体で受験申込みを行うテストのことです。
運営の国際ビジネスコミュニケーション協会では、公開テストとIPテストで「出題される内容やスコアの意味は変わらない」と公式サイトに明記しています。
ただし企業によっては、下記の理由からIPテストの結果を正式なスコアとして認めていない企業があります。
- 過去に出題された設問が出る
- 公式認定証ではなく、個人成績表が発行される
応募条件に特定のTOEIC®スコアが記載されている場合は、公開テストを受けてスコアを履歴書に書いたほうが確実にアピールできます。
ただし、応募時にIPテストのスコアしかない場合は、その旨を履歴書に書いたほうが良いでしょう。
また、IPテストの場合は、試験形態により履歴書への記載方法が若干異なります。
下記がマークシート方式のIPテストの場合の書き方です。
年 | 月 | 免許・資格 |
2022 | 6 | TOEIC® Listening & Reading Test IP 650点取得 |
オンライン方式のIPテストの書き方は以下のようになります。
年 | 月 | 免許・資格 |
2022 | 6 | TOEIC® Listening & Reading Test IP Online 650点取得 |
TOEIC® Bridgeの場合
TOEIC® Bridgeは、通常のTOEIC®よりも難易度の低い初級~中級者向けのテストのため、履歴書には書いても評価されることはほとんどないため、記載は避けるのが無難でしょう。
TOEIC® Speaking & Writingの場合
TOEIC® Speaking & Writingのスコアを持っている場合は、履歴書へ下記のように記載しましょう。
年 | 月 | 免許・資格 |
2022 | 7 | TOEIC® Speaking & Writing Tests 280点取得 |
(Speaking 130/200点、Writing 150点/200点) |
TOEIC® Speaking & Writingの場合、取得スコアだけでなく、各試験200点満点中で何点だったかを書いておくと、特徴であるSpeakingの英語力がより伝わりやすくなります。
TOEIC®スコアを履歴書に記載する際の注意点
TOEIC®スコアを履歴書に記載する際には、下記の点に注意が必要です。
- 嘘のスコアを書かないこと
- 直近2年以内に取得したスコアを書くこと
- 資格の正式名称を書くこと
- TOEIC®以外の英語資格を持っている場合は併せて書くこと
それぞれについて解説します。
嘘の申告はしない
履歴書に嘘のスコアを記載してはいけません。理由としては下記があります。
- 採用後にスコアの認定証提出を求められて嘘が発覚すると、内定取り消しになる場合がある
- スコアと実際の英語力が一致していないことが入社後に分かると、信用問題になる
- 履歴書のスコア通りの実力があるかを英語面接、筆記試験で試される場合がある
履歴書には必ず実際に取得した本当のスコアを書きましょう。
直近2年以内のスコアを記載する
履歴書に記載するスコアは、一般的にTOEIC®の公式認定証の再発行期限である2年が目安になっています。なので、2年以内に受けたTOEIC®のスコアを記載しましょう。
TOEIC®のスコア自体に有効期限はありませんが、もし2年以上前のスコアしかない場合は、再度テストを受けることをおすすめします。
応募時に2年以内のスコアを持っていない場合は、直近のスコアを履歴書に記載します。面接の際に、テスト結果の入手が間に合わなかったことを伝えましょう。
なお、TOEIC®の公式認定証は試験日から30日以内に発送されます。また、スコアは試験日から17日後にインターネットより確認ができます。
参照:一般財団法人 国際コミュニケーション協会「TOEIC® Listening & Reading Test テスト結果について」
正式名称を記載
履歴書にTOEIC®スコアを記載する際には、略書ではなく正式名称で記載します。履歴書には資格の正式名称を書くことが鉄則だからです。
受験した年月、正式名称である「TOEIC® Listening & Reading Test」、所持スコアの順に履歴書の資格欄に記載しましょう。
ほかの英語に関する資格もあれば記載する
ほかにTOEIC®以外で履歴書に書ける主な英語資格は下記の3つになります。
資格 | テスト概要 |
TOEFL(トーフル)® iBTテスト | 「読む」「聞く」だけでなく、「話す」「書く」能力を総合的に測定することから、英語圏留学には必須とされているテスト |
Linguaskill Business (リンガスキル ビジネス) |
ビジネスシーンにおける「読む」「聞く」「話す」「書く」能力のテスト |
IELTS(アイエルツ) | 留学や移住に必要な英語力があるかを測るテスト。英語圏の教育機関だけでなく、外資系企業からもTOEFL®と同等の認知を受けている |
外資系企業によっては、TOEIC®より上記のテストスコアを重視する場合があります。そのため、上記の英語スコアを持っている場合は、TOEIC®と併せて履歴書に記載しましょう。
履歴書に書けるかどうかは、自分が希望する企業によって異なる
応募者に求められるTOEIC®スコアは企業により異なるため、事前に確認することが必要です。
応募時に求められるスコアは、就職・転職サイトの求人情報や、企業の公式サイト、または、応募先への直接問い合わせで確認できます。
ただし、募集要項にTOEIC®スコアの記載がないからといって、英語力不問ということではない可能性もあるため注意が必要です。
自分の所持スコアが求められる基準に達していない場合は、TOEIC®︎800点など高スコアを目指して勉強しましょう。
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