CEFRをTOEIC®換算すると?必要なスコアと対応する英語試験の比較

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英語試験や大学入試に関する話題で、CEFR(セファール)という言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。CEFRを理解することで、TOEIC®のスコアを他の民間試験のものと比較することができるようになります。

この記事では、CEFRの概要や、各CEFRレベルにマッチするTOEIC®スコアについて解説します。また、CEFRに準拠しているTOEIC®以外の代表的な英語試験についても紹介します。

CEFRを理解し、自分の英語力を国際標準で示せるようにTOEIC®目標スコアを設定しましょう。

CEFRとは

CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)とは、英語のみならず40言語を対象に外国語学習者の言語能力の熟達度をランク付けする国際標準です。

グローバル化の発展とともに、英語力を国際標準で示す重要性が高まっており、日本では、CEFRを英検やTOEIC®などの各民間試験に対応させる動きが広まっています。

実際に、大学入試の英語試験にこれらの民間試験が取り入れられているケースもあります。そのため、出題範囲や採点方法が異なる民間試験でも、偏りなく英語力を判定する指標としてCEFRが注目されているのです。

CEFRと各TOEIC®Programスコアとの対照表

CEFRには6つのレベル「A1・A2・B1・B2・C1・C2」があります。レベルはA1が一番低く、C2が一番高いレベルです。

以下は、各CEFRの6つのレベルをTOEIC® L&RとTOEIC® S&Wのスコアに換算した表です。CEFRの最高レベルのC2は、TOEIC®満点よりも高いレベルのため対象外です。

CEFR TOEIC® L&R TOEIC® S&W TOEIC® L&R+S&W※
Listening Reading Speaking Writing
C2
C1 490点〜 455点〜 180点〜 180点〜 1845〜1990点
B2 400点〜 385点〜 160点〜 150点〜 1560〜1840点
B1 275点〜 275点〜 120点〜 120点〜 1150〜1555点
A2 110点〜 115点〜 90点〜 70点〜 625〜1145点
A1 60点〜 60点〜 50点〜 30点〜 320〜620点

※TOEIC® L&R+S&Wのスコアは、「TOEIC® L&R」と「TOEIC® S&W×2.5倍」を合算したスコアを記載

CEFRは、4技能(リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング)全てを測る指標です。そのため、TOEIC®をCEFRに換算するためには、TOEIC® L&RとTOEIC® S&Wの両方のスコアが必要です。

参照:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC® Program各テストスコアとCEFRとの対照表」

CEFRレベルに対応するTOEIC®の英語力の目安

CEFRを用いることで、自分の英語力を国際的に通用する指標で示せます。

ここでは、CEFRの各レベルがどのぐらいの英語力を表しているのかTOEIC®換算スコアとともに解説します。

なお、C1~A1の比較で記載しているTOEIC®のスコアは、上述の通りTOEIC® L&R+S&Wのスコアを参照したものです。TOEIC® L&R+S&Wのスコアは、「TOEIC® L&R」と「TOEIC® S&W×2.5倍」を合算したスコアを記載しています。

C1(TOEIC®1845〜1990点)の英語力の目安

C1は、TOEIC®で測定可能なスコア範囲の中で最も高いレベルです。専門外であってもさまざまな複雑な内容の長い文章を理解でき、自由自在に自己表現ができる英語力とされています。

C1の熟達度

「いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。」

引用:ブリティッシュ・カウンシル「アート、英語教育、高等教育|CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」

B2(TOEIC®1560〜1840)の英語力の目安

B2は、ネイティブと緊張せず自発的にコミュニケーションが取れるレベルです。抽象的もしくは具体的な話題について、複雑な文章の理解および作成ができます。

CEFRのレベルでTOEIC®の目標スコアを設定するのであれば、まずはB2を目指すとよいでしょう。

B2の熟達度

「自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。」

引用:ブリティッシュ・カウンシル「アート、英語教育、高等教育|CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」

B1(TOEIC®1150〜1555)の英語力の目安

B1は、基礎英語力があり、身近な話題であれば話のポイントが理解できるレベルです。英語圏に滞在時、日常生活で求められる一般的なシーンに対応できる英語力です。

また、身近な話題であれば簡単な文章を作成できます。

B1の熟達度

「仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。」

引用:ブリティッシュ・カウンシル「アート、英語教育、高等教育|CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」

A2(TOEIC®625〜1145)の英語力の目安

自分や家族のことなど身の回りのことについて、基本的な日常会話であれば可能なレベルです。

「and」や「but」などの接続詞でつなげた簡単な文章であれば書くことができます。

またリスニング力は、ゆっくりかつ、はっきりとした音声であれば、大筋は理解できる英語力です。

A2の熟達度

「ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。」

引用:ブリティッシュ・カウンシル「アート、英語教育、高等教育|CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」

A1(TOEIC® 320〜620)の英語力の目安

A1はCEFRの中で最も低いレベルです。相手がゆっくりかつはっきり話さなければ聞き取りが難しいレベルです。

会話に時間がかかってしまいますが、日常表現と基本的な言い回しを理解しており、簡単なやり取りができます。

A1の習熟度

「具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。」

引用:ブリティッシュ・カウンシル「アート、英語教育、高等教育|CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」

CEFRとTOEIC®以外の英語資格試験(英検等)の換算表

CEFRのレベルに対応するTOEIC®以外の代表的な英語試験との換算表です。

CEFR Cambridge
English
英検 IELTS™️ TEAP TOEFL iBT®
C2 CPE(200+) 8.5-9.0
C1 CAE(180-199) 1級 7.0-8.0 400 95-120
B2 FCE(160-179) 準1級 5.5-6.5 334-399 72-94
B1 PET(140-159) 2級 4.0-5.0 226-333 42-71
A2 KET(120-139) 準2級 3.0 186-225
A1 3級-5級 2.0

参照:文部科学省「各試験団体のデータによるCEFRとの対照表」

TOEIC®または上記のうちいずれかの試験の結果から、自分の英語力のCEFRレベルを知ることができます。CEFRレベルに換算することで、日本のみで通用する英検の級しか持っていなくても、国際的に自分の英語力を証明することが可能です。

どの試験を利用するかは、実際にどんな場面で英語を使いたいのかを意識して選ぶとよいでしょう。

CEFRレベルをTOEIC®で換算する際の注意点

TOEIC®を含め各英語検定試験には、固有の出題範囲や採点方法があります。そのため単純比較が難しく、比較する際には条件がともないます。

ここでは、CEFRレベルをTOEIC®スコアで測る際の注意点を解説します。

CEFRレベルをTOEIC®で換算できるのはC1レベルまで

CEFRは、A1からC2まで6つのレベルが設定されています。TOEIC®のスコアが対応しているCEFRレベルは、A1からC1レベルまでです。

最高レベルのC2は、TOEIC®で測定可能なスコア範囲外であるため、TOEIC®スコアから換算することはできません。

既にC1レベルに該当するTOEIC®のスコアを持っている人や、C2レベルを目指している人は、CEFRに完全に準拠するCambridge English(ケンブリッジ英語検定)やIELTS™️の受験を検討しましょう。

CEFRはTOEIC®L&Rのみでは換算できない

TOEIC®には、リーディングとリスニングの試験TOEIC® L&Rおよびスピーキングとライティングの試験TOEIC® S&Wがあります。

スコアをCEFRに換算するためには、その両方の試験のスコアが必要です。CEFRは4技能全てを含んだ国際標準であるためです。

大多数の人がTOEIC®試験と聞いて思い浮かべるのは、TOEIC® L&Rでしょう。なぜなら、TOEIC® S&Wに比べ、TOEIC® L&Rの受験者数が圧倒的に多いためです。

TOEIC® L&Rの対策としてリーディングとリスニングのみを学習する人が多いと思いますが、TOEIC®をCEFRに換算する場合は、TOEIC® S&Wで測るスピーキングとライティングも意識して強化する必要があります。

CEFRレベルの換算に使える英語試験の特徴を比較

CEFRのレベルの換算に活用できる各英語試験の概要を以下の表にまとめました。

項目 受験料 受験方式 開催日 目的 必要なもの
TOEIC®︎ TOEIC®︎ L&R:7,810円 ペーパー/オンライン 毎月1回 留学
就職
本人確認書類、受験票(証明写真)
TOEIC®︎ S&W:10,450円 年24回 本人確認書類
英検 1級:11,800円
(=英検1級はCEFRのC1レベルである)
ペーパー/オンライン 年3回 留学
就職
受験票、本人確認書類、身分証明書
TOEFL iBT®︎ 245米ドル オンライン 年間50日以上(土・日開催、平日の実施なし) 留学 パスポート、ETSアカウントの「Upcoming Tests/今後のテスト」をクリックし「Test Appointment Details/テストの予約の詳細」のプリントアウトして持参する
IELTS™️ 25,380円 ペーパー/オンライン ・アカデミック
ペーパー:月4回
オンライン:月10回
・ジェネラル
ペーパー:月2回
オンライン:月10回
留学
海外在住
パスポートのみ

ここでは、各英語試験の特徴を詳しく解説します。

参照:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「テスト当日のご案内」
参照:公益財団法人 日本英語検定協会「英検S-CBT|受験案内」
参照:TOEFL®テスト日本事務局「基本情報」
参照:IELTS™️「一般会場申込みページ」

TOEIC®

TOEIC®は日本で最も知名度がある英語試験といえるでしょう。新卒・中途採用時の英語力をTOEIC®のスコアで測る企業も増えています。

試験の出題傾向もビジネスに特化しており、国内企業への就職や転職であれば、TOEIC®が最適でしょう。

受験料も他の試験と比べて安く、試験開催数も多いため受験しやすいのが特徴です。ただし前述の通り、TOEIC® L&RとTOEIC® S&Wの両方を受験しなければ、CEFRのレベルを把握することができません。

関連記事:プレゼンス「TOEIC®とは?どんな試験か、他資格の違いなどの基本情報を解説」

英検

英検は、TOEIC®に並んで知名度が高いですが、日本人の英語力の測定のために作られた試験であり、日本国内でのみ通用する資格といえるでしょう。

英検が国際的に通用しないケースが増えてきたため、2016年度にCEFRに対応した英語力を示す英検CSEスコアが導入されました。

英検CSEスコア証明書では、合否に加えて英検CSEスコアやCEFRレベルも表示されています。英検のスコアがどの程度の英語スキルにあたるのか確認できます。

TOEFL iBT®︎

TOEFL iBT®︎は、大学や大学院で必要とされる英語力4技能を測定します。スコアにはCEFRに連動したスコアが反映されるので、150カ国以上の大学機関が大学入学選考や奨学生選考時にTOEFL iBT®︎を英語力の指標として用いています。

TOEFL iBT®︎のiBTとはInternet-Based Testingの略で、オンライン上での受験がメインです。試験は年間50日以上、土日に開催(平日の実施なし)されていますが、受験料は245米ドル(日本円で3万円以上)と高額です。(※2023年5月現在)

IELTS™️

IELTS™️は、留学、進学、移住の際の英語力の証明として有効な試験です。試験は、大学への留学や専門機関への登録申請のためのIELTS Academicと、英語圏への移住のためのIELTS General Trainingの2種類があります。

試験方式は、ペーパー形式とオンライン形式から選べ、東京、大阪、京都などの主要都市で試験が開催されます。

自宅で受けられるオンライン版IELTS Onlineも提出先機関が認めれば利用できます。受験にはパスポートが必要です。

CEFRをTOEIC®で換算する際は、「書く」「話す」の技能も意識して勉強しよう

本記事では、CEFRの各レベルをTOEIC®︎スコアに換算した表や、CEFRに準拠する各英語試験について解説しました。

TOEIC®スコアをCEFRのレベルに換算するためには、TOEIC® L&RおよびTOEIC® S&Wの両方の試験のスコアが必要です。

通常TOEIC®試験というと、TOEIC® L&Rを思い浮かべる人が多いですが、TOEIC® S&Wで測るスピーキングとライティングも意識して強化しましょう。

また本記事では、CEFRに対応するTOEIC®以外の英語試験も紹介しました。どの英語試験によってCEFRレベルを取得するかは、実際にどんな場面で英語を使いたいのかを意識して選ぶとよいでしょう。

CEFRレベルに換算することで、限られた国や地域でのみ通用する英語試験のスコア結果でも、国際標準で自分の英語力を証明することが可能です。

CEFRの活用範囲は英語試験にとどまらず、今後英語教員の研修や英語教材の開発などにも広がることが考えられます。自分の英語力を国際標準で示すことで、活躍の場を広げることができるかもしれません。

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