学習コラムColumn
後悔とは、未来につながるもの【プレゼンス Newsletter vol.003】より
- 2014.6.24
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2014/6/23 配信
「後悔とは、未来につながるもの」【プレゼンス Newsletter vol.003】より
-未来に目を向けるラット?-
先日、ナショナルジオグラフィックニュースに
「後悔」の実験に関して、ある記事が掲載されました。
「ラットも誤った選択を”後悔”する?」
”Rats Show Regret After Wrong Choices, Scientists Say”
http://bit.ly/1khQZZW(日本語サイト)
http://bit.ly/1liWqMD(英語サイト)
ごく簡単に記事の内容をご紹介すると、
ラットの神経細胞の活動を記録する実験で
「選択の過ちに気付き、それを後悔する」
という、人間と全く変わらない行動パターンが見られたんだそうです。
-後悔とは、未来につながるもの-
さて、記事からの学びを探そう!ということで、
記事にある「後悔に関する定義」を引用してみましょう。
「後悔は自分がすべきであったことについて考えることをいい、
未来の意思決定に影響を及ぼす。 」
“Regret is thinking about what you should have done.
It differs from disappointment, which you feel when you don’t get what you expected.
And it affects how you make decisions in the future.”
そしてもう一つ。記事の終盤に引用されている、
メリーランド大学カレッジパーク校の神経科学者、ロッシュ氏のコトバを
見てみましょう。
「後悔を強く感じれば、
その情報に基づいて未来により良い決断を下すことができる」
“If you have a strong feeling of regret, you should be able to use that information
to guide future decisions, to make better ones.”
つまり、上記2つの記述によると「後悔」は過去を悔やむだけのもの以上に、
「より良い未来へ繋がる」ための、大事な行為であるということが言えます。
-後悔は学習である-
さらに実験で興味深いのは、ラットが「後悔」から「学習」をしていること。
後悔の反応を見せたラットは、次のはしごで行動パターンを変えています。
その結果、食べ物を受け取ることができているのです。
まさに「後悔」が「未来のより良い決断」へと繋がっています。
このように、ラットにとって「後悔」とは、
「学習」を促進し未来の行動を修正していくために
備わっている性質、と言えるのではないでしょうか。
-後悔を強く感じ、逃げないこと-
未来を見つめるラットが「後悔」を示す動きをした際、
どれだけの「悔しさ」を実際に感じているのか? ここで知る由もありません。
ただ、人間にとっても「後悔」の果たす役割とは、
ラットと同じではないでしょうか?
「そうだったか…!」と強く後悔を感じること。
その「後悔」を「学び」に繋げる一連の振り返りをし、未来を変えていくこと。
もちろん、「後悔を学びに・・・」と言うのは簡単ですが
人間にとって、後悔とは決してポジティブな感情ではありません。
悔やみとは、痛みや苦しさを伴います。
後悔の感情は受け入れ難いものです。その為、後悔を引き起こした出来事を
「無かった事にしたくなる」「他のもののせいにしたくなる」
「目を背けたくなる」ことがあります。
しかし、こういった後悔からの逃げは、ラットの実験結果を翻して考えれば
「学び」に繋がらない、つまり「未来に繋がらない」ということになります。
-強く後悔するための「勇気」を持つ-
人間にとって後悔が辛いものであれば、それを受け入れる「心の強さ」や
向き合う「勇気」を発揮することが必要になります。
ここで、勇気についての一つの示唆をご紹介して締めくくりましょう。
今年早々に出版された、ロバート・ビスワス=ディーナーの
『「勇気」の科学 』によると、勇気は後天的に身につけることが出来る
のだそうです。
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また本書では、勇気に必要な2つの要素として
「恐怖をコントロールすること」「行動意志を高めること」を挙げています。
恐怖をコントロールする一例としては、
「事実なのか、あるいは自分の思い込みが助長させている恐怖か?」を見極めること。
行動意志を高める一例には、「目的」「目標」や「役割」「責任」を認識し直すこと、
とあります。
-勇気を持って後悔し、ラットに負けない学びを-
後悔する勇気を持つこと。
その勇気を高める為に「恐怖をコントロールする」し「行動意志を高める」こと。
つまり勇気を持つためには、
「冷静」な状況判断をすると同時に「情熱」ある想いの再確認が必要であるように思えます。
「超アツイ=超クール。」
とは、プレゼンス創業者杉村太郎の著『アツイコトバ』76ページにあるフレーズです。
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アツくしかしクールに、後悔と向き合う勇気を持つこと。
そこから、ラットより深く学ぶことを始めてみませんか。