学習コラムColumn
ワクワク勉強するためのヒント【プレゼンス Newsletter vol.007】より
- 2014.9.27
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2014/9/26 配信
「ワクワク勉強するためのヒント」【プレゼンス Newsletter vol.007】より
さて今回も、日々受講生の皆様からお寄せいただくご質問から
記事の着想をいただきました。
語学学習を始めとする目標達成を目指す過程で、
「退屈」「つまらない」と感じた時の、一つの解決策になり得る考え方、
「ゲーミフィケーション」の基本をご紹介します。
皆様の日々の学習がよりワクワクする、ひとつのキッカケになりますように。
ー ゲーミフィケーションに含まれる2大要素 ー
ゲーミフィケーションとは、人を楽しませて熱中させるゲームの要素を
ゲームが本来の目的ではないサービス等に応用し、課題の解決を試みることです。
では、ゲームというのはなぜ楽しくついつい手が伸びてしまう、
いわゆる「ハマって」しまうのでしょうか?
そこには、人間の感情や習性を上手く利用した仕掛けがあるわけです。
その2大要素として挙げられるのが【課題】と【報酬】です。
ー ゲーミフィケーションの要素 【課題】 ー
「クエスト」「ミッション」などと表現される、挑戦するべき【課題】が
ゲームには欠かせない要素であり、
ユーザーはこの課題に挑戦し、クリアすることで達成感を得ます。
ここで、課題の設定に際して、押さえておきたい点が2つあります。
ひとつには、
「課題への取り組み方は、分かりやすいものであるか?」です。
わかりやすいルールや操作方法であることが、迷いのない状態を作り出し、
ユーザーはゲームに夢中になることができます。
もうひとつ押さえておきたいことは、
「課題の難易度は、適正なものであるか?」です。
あまりにもクリアするのが簡単なゲームは飽きてしまいますし、
強すぎる敵と戦っていれば、無力感でゲームをやめたくなってしまいます。
ー 【課題】の設定を語学学習に応用する ー
では、【課題】の設定を語学学習に置き換えてみましょう。
「課題への取り組み方は、分かりやすいものであるか?」については、
一度に一つの作業に集中する「シングルタスク」の状態であることが
ポイントになるのではないでしょうか。
例えば、
プレゼンスでお伝えしている単語の暗記ステップであれば、
「仕分け(=知らない単語のみを抽出する作業)」の時に、
「暗記(=仕分けで抽出された単語のみを覚える)」の作業と
ごちゃ混ぜにしてしまわないように、といったことです。
「課題の難易度は、適正なものであるか?」については、
少し頑張ればクリアできる!という教材に取り組むことが、非常に大事です。
例えば、
単語のテキストを購入する際には、いきなり難解なものに手を伸ばさないこと。
中身の5割以上が見知った単語であるほうが、早い段階で「1冊の単語帳を覚えきった!」
という達成感を感じられるでしょう。
欲張って背伸びしすぎず、勝算がある敵から倒していくのです。
また、難易度とは少し異なりますが、課題の範囲や時間を小分けにすることで
「この時間(範囲)を頑張ればクリアできる!」という状況はさらに加速されます。
※ 【課題】に関して、押さえておきたいポイントまとめ ※
「クリアできそうな難易度の課題を、シングルタスクにして取り組む。」
「短時間でクリアすることの積み上げをする。」
(そもそも、単語暗記が「クエスト」というコトバに置き換わると
それだけでワクワクします!(笑))
ー ゲーミフィケーションの要素 【報酬】 ー
課題をクリアすることで得られる【報酬】もゲームの要素として欠かせません。
ボスキャラを倒すとエンディングの画面で賞賛される場合や、
「経験値」がたまって「レベルアップ」するようなもの。
「アイテム」「バッジ」「クーボン」がもらえるもの等があります。
ー 【報酬】とは、自分で自分を褒めるスキルと仕掛け ー
ここで注目すべきは、
「ゲームにおいて、報酬は仮想のものでも楽しむことができている」
ということです。
これを、特に自習を伴う学習過程に応用すると、
「仮想の報酬を決めるのは自分自身である」とも言えます。
翻って、自分で自分のことを褒めるスキルを発揮する、
あるいはそういった仕掛けを作る必要があります。
よく自分へのご褒美と称して商品を買う人がいますが、
よほど大きなプロジェクトなどをやり終えた時のご褒美ではない限り、
日常的にお金やモノを伴うご褒美は、現実的ではありません。
意識したいのは「精神的な報酬」の設定です。
つまり、課題をクリアしたことに対して、気持ちを豊かにするもの、
心をさらに奮い立たせるものを報酬にするわけです。
コーヒーなどのリラックスタイム、お気に入りの音楽、
達成した証に手帳に記録をするなど、些細なものでも
自分の達成感に刺激となるものは「エア報酬」になりえるでしょう。
※【報酬】に関して、押さえておきたいポイントまとめ ※
「自分を自分で褒める仕掛けを作る。」
例)コーヒーブレイク、達成度の可視化など
皆様にとっての、ワクワクする「エア報酬」は何でしょうか?
ー 単発ではなく、サイクル作りを試みよう! ー
さて、ゲーミフィケーションの要素を見ていくと、
多くの学習者の方は、すでに何かしらのゲーム的な要素を
取り入れながら学習をしているのかもしれません。
スキマの短い時間を使って勉強したり、
コーヒーブレイクを取るなど、されていることでしょう。
そういった意味では、ゲーミフィケーションは
皆様にとって、すでになじみのある考え方とも言えます。
とはいえ、単発の要素ではなく【課題】と【報酬】を一連のサイクルとして、
今一度見直してみてはいかがでしょうか。
そこには、よりワクワクする、あるいは「ハマる」学習への改善点が
あるはずです。
ー ゲーミフィケーションを越える ー
最後にもうひとつ。ゲーミフィケーションは、
実は後々、その考え方を手放すこともできるはずだということです。
真に作業に没頭し始めた時には、もしかすると自分への報酬が邪魔になり、
作業そのものを長時間続けることができるようになっていくこともあるでしょう。
そんな状態に至るまでの素晴らしい補助輪として、
日々の学習にゲーム的な要素を仕掛けてみませんか。//
参考サイト・書籍
http://www.atmarkit.co.jp/fsmart/articles/gamification/01.html
茂木健一郎 著「この法則でゾーンに入れる! ―集中「脳」のつくり方」http://amzn.to/YfIF9f