学習コラムColumn
TOEIC®初学者の多くは、まずは500点以上を目標にするという人も多いのではないでしょうか。
目標スコアに到達するためには、ただやみくもに勉強するのではなく、「どの程度の英語力が必要なのか」や「その英語力をつけるためにどのような学習が必要か」を考えなければなりません。
本記事では、TOEIC®スコア500点を最短で突破するために必要な英語レベルや勉強方法、500点以上を取得するメリットを解説します。
TOEIC®500点のレベル・難易度
TOEIC®500点は、通常会話の要点は理解できるものの、臨機応変な応答などが困難な初級レベルであるといわれています。
TOEIC®500点を英検に換算
文部科学省の「各試験団体のデータによるCEFRとの対照表」によると、英検2級がTOEIC®550点以上相当とされています。
つまりTOEIC®500点は、英検準2級合格レベルであるものの、英検2級よりもやや低いレベルであることが分かります。
英検やCEFRなどの各種英語試験とTOEIC®の換算表については、以下の記事を参照ください。
関連記事:プレゼンス「CEFRをTOEIC®換算すると?必要なスコアと対応する英語試験の比較」
参照:文部科学省「各試験団体のデータによるCEFRとの対照表」
TOEIC®500点のスコア分布
「TOEIC® Program DATA & ANALYSIS 2023 2022年度受験者数と平均スコア」によると、TOEIC®500点が含まれるスコア範囲(495~540点)の受験者数は、総受験者数784,310人中74,182人(9.5%)です。
参照:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC® Program DATA & ANALYSIS 2023 2022年度受験者数と平均スコア」
TOEIC®500点の英語力・正答率
TOEIC®500点を獲得するために習得する単語数は、約4,000個前後といわれています。TOEIC®では試験に頻出する単語が存在するため、TOEIC®専用の単語帳を利用して効率よく習得するとよいでしょう。
なお、TOEIC®︎500点を目指すなら、リスニング・リーディングともに少なくとも50%以上の正答率が必要です。
次に、学習時間を見てみましょう。以下は、オックスフォード大学出版局がTOEIC®︎講師向けに作成した指導ガイドに掲載されている表です。
TOEIC®500点に必要な学習時間は、現在のスコアによって異なります。
縦:現在の点数
横:目標の点数
項目 | 250点 | 350点 | 450点 | 550点 | 650点 | 750点 | 850点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
250点 | 200時間 | 425時間 | 700時間 | 950時間 | 1,150時間 | 1,450時間 | 1,750時間 |
350点 | - | 225時間 | 450時間 | 700時間 | 950時間 | 1,225時間 | 1,550時間 |
450点 | - | - | 225時間 | 450時間 | 700時間 | 975時間 | 1,550時間 |
550点 | - | - | - | 225時間 | 450時間 | 725時間 | 1,050時間 |
650点 | - | - | - | - | 225時間 | 500時間 | 825時間 |
750点 | - | - | - | - | - | 275時間 | 600時間 |
850点 | - | - | - | - | - | - | 325時間 |
例えば現在のスコアが750点未満の人が、100点スコアアップする場合、必要な学習時間はおおよそ225時間です。
ただし、学習開始時の英語力には個人差があるため、あくまでも学習時間の目安と考えてください。
TOEIC®500点を平均点と比較
「TOEIC® Program DATA & ANALYSIS 2023 2022年度受験者数と平均スコア」によると、2022年度のTOEIC®平均点は608点です。平均点が高いのは、TOEIC®受験者全体が英語学習者であるためです。
ここでは、属性ごとの平均点を見てみましょう。平均点データは、公開テストとIPテストの2種類があります。
社会人のTOEIC®平均点
社会人全体のTOEIC®平均点は、「公開テスト 全体データ」によると638点です。「IPテスト全体データ」によると536点です。
テストの種類 | 公開テスト | IPテスト |
---|---|---|
平均スコア | 638点 | 536点 |
リスニング | 346点 | 298点 |
リーディング | 292点 | 238点 |
社会人全体の公開テスト平均点は、全体の608点より30点も高い結果です。就活や昇進などスコアアップの目的が明確で学習意欲が高い人が多いことが考えられます。
大学生のTOEIC®平均点
大学生全体のTOEIC®平均点は、「公開テスト 学生データ」によると588点です。「IPテスト学校データ」によると474点です。
テストの種類 | 公開テスト | IPテスト |
---|---|---|
平均スコア | 588点 | 474点 |
リスニング | 318点 | 266点 |
リーディング | 269点 | 209点 |
大学生の平均点は、全体や社会人の平均点よりも低いことが分かります。
社会人は就職やキャリアアップの段階でTOEIC®のスコアアップが求められる場合があり、大学生と比較して高くなっていることが理由の1つとして考えられます。
参照:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC® Program
DATA & ANALYSIS 2023 2022年度受験者数と平均スコア」
TOEIC®で500点以上を目指すべき3つの理由
TOEIC®で500点以上を目指すとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、以下の3点のメリットを解説します。
- 転職・就職活動で評価されやすくなる
- 昇進・昇格につながる
- 業務の幅が広がる
それぞれ見ていきましょう。
転職・就職活動で評価されやすくなる
「2019年度 新入社員 TOEIC® Listening & Reading最新データ」によると、企業の内定者の平均点は547点です。
一般的に企業に評価されるTOEIC®スコアは600点以上とされていますが、500点以上を取得していれば、就職活動において有利に働くケースも見られます。
参照:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「2019年度 新入社員 TOEIC® Listening & Reading最新データ」
昇進・昇格につながる
企業によっては、昇進・昇格基準の1つとしてTOEIC®スコアを採用している場合もあります。
「英語活用実態調査 企業・団体ビジネスパーソン2019」によると、昇進・昇格の要件・参考とするスコアは、各役職によって以下の通りです。
係長・主任 | 課長 | 部長 | 役員 |
---|---|---|---|
515点 | 530点 | 565点 | 600点 |
役員を除くと全てのスコアが500点台です。このことから、TOEIC®500点台以上を取得すれば、昇進・昇格につながるチャンスが生まれると考えられます。
ただし、上記のスコアは2019年時点での調査によるものです。グローバル化が進む現在の企業では、600~800点以上を昇進・昇格の要件として求める傾向もあるため、注意するようにしましょう。
参照:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「英語活用実態調査 企業・団体ビジネスパーソン2019」
業務の幅が広がる
TOEIC®スコア500点以上を目指し、その後取得したTOEIC®の点数で英語の基礎力があると評価されれば、海外との取引がある部署でグローバル業務に参加できる可能性があります。
TOEIC®で高得点を目指すことは、あなたのキャリアを大きく成長させるきっかけとなるでしょう。
TOEIC®で500点以上を取るための勉強法
TOEIC®で500点以上を取るためには、リスニング、リーディング各パートの対策だけではなく、本番試験2時間で、できるだけ多くの問題を解き終える集中力が必要です。
本番試験の2週間前には模試を数回実施し、2時間で200問を解く本番同様の環境で、集中力を鍛えます。各パートの解答時間配分の間隔を体に覚えさせましょう。
中学・高校レベルの内容を復習し、基礎を固める
まず、TOEIC®500点の単語帳をマスターし、中学・高校レベルの文法を復習します。単語と文法の復習で、500点突破に最低限必要な英語力の土台を固めましょう。
得点源になりやすいパートを重点的に対策する
各パートのどの部分が苦手分野であるかを把握しましょう。苦手分野の中で、得点が取りやすいパートを優先的に対策します。
リスニングであれば、比較的スコアを取りやすいPart1・2の対策をすることをおすすめします。リーディングであれば、出題傾向が決まっている文法問題と品詞問題が出題されるPart5・6を先に対策しましょう。
特に強化したいパートがあれば、そのパートに特化した問題集を解くとよいでしょう。
英語コーチングスクールを受ける
「独学では苦手分野を克服できない」「そもそも苦手分野をどのように対策したらよいか分からない」場合は、英語コーチングスクールも選択肢の1つです。
例えば「プレゼンス」のTOEIC®コースでは、一人ひとりのレベルに合わせたTOEIC®スコアアップのためのコースを用意しており、あなたの目標スコア達成をサポートしてくれます。
英語コーチングスクールでは、専属コーチが苦手分野の分析を行い、TOEIC®スコアアップのための自分に合った学習計画を立ててくれます。
学習中もコーチが並走してくれるので、モチベーションを落とさずに学習を進められるでしょう。
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TOEIC®500点以上を取得するためにおすすめの参考書
TOEIC®500点を目指す場合のおすすめの参考書を3冊紹介します。
参考書名 | 特徴 |
---|---|
キクタンTOEIC® L&Rテスト SCORE 500 | 448語を収録。他の単語帳と比べ収録語彙数が少ないが、TOEIC®必須単語のみに厳選されている。書き込みながら単語を覚えたい人におすすめ。 |
TOEIC® L&R TEST 初心者特急 パート1・2 | Part1・2を攻略したいTOEIC®500点を目指す人向けの参考書。イラストを使った解説が分かりやすいため、初心者でも使いやすい。中学レベルの文法も省略せずに詳しく解説されている。 |
TOEIC®︎ L&Rテスト 文法問題 でる1000問 | TOEIC®の文法問題は、本書1冊を徹底的に攻略すれば十分対策できる。解答解説には、不正解の選択肢がなぜ不正解なのかについても解説されている。問題が1,000問と多いので、出題傾向がつかめる。 |
自分にとって学習しやすい分量・内容の参考書を選んで複数回やりこむようにするとよいでしょう。
TOEIC®500点以上を取得するためにおすすめのアプリ
TOEIC®のアプリは、通勤時間のスキマ時間の学習におすすめです。
TOEIC®500点を目指す人向けのアプリを3つ紹介します。
アプリ名 | 特徴 |
---|---|
TOEIC®公式アプリ「TOEIC®公式コンテンツ by IIBC」 | TOEIC®を運営しているIIBCの公式アプリ。TOEIC®のリスニング問題に出題される日常生活やビジネスシーンの英会話が収録されている。「クイズモード」では、各会話の内容をもとにした質問や、英語フレーズの意味について問う設問が3択形式で出題される |
AIによるTOEIC®学習アプリ「Santaアルク」 | AIがTOEIC®のスコアを診断するアプリ。ユーザーの解答を分析し、レベルに合った適切な問題を自動で出題してくれる。アプリが出題する問題を解くだけでリスニングもリーディングもスコアアップが可能 |
「トレーニング TOEIC® test」 | TOEIC®問題が883問収録されている無料アプリ。各パートの出題形式に慣れることができる |
TOEIC®は500点以上を目指して効率よく勉強しよう
本記事では、TOEIC®500点を最短で突破するために役立つ情報を解説しました。
500点に到達するためには、ただやみくもに学習するのではなく、「どの程度の英語力が必要なのか」を把握し、「その英語力をつけるためにどのような学習が必要か」を考えなければなりません。
TOEIC®500点は、英検準2級以上英検2級以下のレベルです。中学・高校レベルの基礎英語力があれば十分狙えるスコアです。
各パートのどの部分が苦手分野であるかを把握し、得点が取りやすいパートから優先的に対策しましょう。
TOEIC®試験対策はコーチングで効率的な勉強ができる「プレゼンス」を使おう
TOEIC®の学習は独学でも可能ですが、最短で目標スコアに到達したい場合は「プレゼンス」のTOEIC®コースがおすすめです。
「プレゼンス」のTOEIC®コースは、一人ひとりのレベルに合わせたTOEIC®スコアアップのためのコースを用意しており、目標スコア達成を全力でサポートします。
「独学で苦手分野を対策しているが、なかなかスコアが上がらない」「そもそも苦手分野をどのように対策したらよいか分からない」方にこそ試していただきたいコースです。
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