TOEIC®スコアを偏差値に換算!偏差値60はTOEIC®760点?

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「自分のTOEIC®のスコアは偏差値だとどれくらいだろう」と疑問に思ったことがある方もいるのではないでしょうか。

偏差値とは、高校受験生や大学受験生にとって志望校を決める際に重要な指標の1つです。

受験生には馴染みがある偏差値ですが、具体的な仕組みや計算方法を知っている人は少ないのではないでしょうか。

本記事では、TOEIC®のスコアを偏差値に換算する方法を解説します。

偏差値を知ることで、TOEIC®スコアや順位だけではなく、受験者全体の中で自分の英語力がどれくらいの位置にあるかを知ることができます。

高校受験や大学受験を控えている人は、TOEIC®スコアから換算した偏差値と志望校の英語試験の偏差値を比較してみましょう。

自分の英語力が志望校のレベルを満たしているか確認する目安になります。

TOEIC®の偏差値換算方法

偏差値とは、平均値を50とした時に、同じテストを受けた受験者の中で自分がどのレベルに位置するのかを示す値です。

TOEIC®に限らず、通常試験は、毎回試験問題が異なるため平均点も毎回変動します。そこで、試験の平均点を偏差値50と仮定し、平均点との差によって偏差値を算出します。

また、平均点との差だけではなく、受験者全体のスコアがばらついているのを考慮する指標「標準偏差」も必要です。

偏差値が分かれば、各試験の問題や難易度にだけでなく、自分の英語レベルが受験者全体の中でどの程度の位置にあるか把握できるのです。

偏差値の計算方法

偏差値は、以下の計算式より求められます。

(自分の得点-平均点)÷標準偏差×10+50

2023年6月25日午後に実施された、第327回TOEIC® Listening & Reading Testを例に、偏差値を計算してみましょう。

第327回の平均点と標準偏差は以下の通りです。

  • 平均点:594.7点
  • 標準偏差:168.2点

例えば、TOEIC®スコアが810点の場合、偏差値は62.8です。
例:(810-594.7)÷168.2×10+50=62.8(小数点第2位以下を四捨五入)

TOEIC®公式サイトを参照し、自分が受験した回の最高スコア、最低スコア、平均スコア、標準偏差を確認し、計算式に当てはめて算出しましょう。

参照:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「平均スコア・スコア分布 詳細 (2023年6月25日 午後)」

【2023年】第327回TOEIC®スコア別偏差値

第327回TOEIC® Listening & Reading Testの平均点594.7点と標準偏差168.2点をもとに算出した、各TOEIC®スコアの偏差値(小数点第2位以下を四捨五入)は以下の通りです。

TOEIC®スコア 偏差値
TOEIC® 990点 73.5
TOEIC® 950点 71.1
TOEIC® 900点 68.2
TOEIC® 800点 62.2
TOEIC® 700点 56.3
TOEIC® 600点 50.3
TOEIC® 500点 44.4
TOEIC® 400点 38.4

各スコアレベルの英語力と比較しながら偏差値を見てみましょう。

TOEIC®900点台の偏差値は68.2~73.5

偏差値68.2〜73.5は正規分布で見ると、上位約1.07〜3.59%です。
TOEIC®900点台の英語力の目安や企業の評価は以下の通りです。

項目 評価内容
リーディング力 難易度の高い語法・文法・構文を理解しており、複雑な内容も理解できる。英語の資料や業務に必要な文章を返り読みすることなく理解できるレベル
リスニング力 日本語に変換することなく英語のままで理解できるレベル。自分の専門分野であれば、海外顧客と意思の疎通で困ることは少ない
企業の評価 非常に高い英語力があると評価される。英語をメインで使う仕事ができる。英語を専門とする翻訳や通訳業務も可能。英語で仕事が問題なくできるレベル

該当の偏差値の大学は?

TOEIC®900点台である偏差値68.2〜73.5の難易度を、大学の偏差値で見てみましょう。

偏差値68.2〜73.5相当レベルの大学・学部には以下のようなものがあります。

大学・学部名 大学入試での偏差値
東京外国語大学 国際社会学部 67~68
筑波大学 社会・国際学群 72~75
北海道大学 文学部 72~74

もちろん単純に比較できるものではありませんが、偏差値の数値の比較だけでいうと、TOEIC900点代をとるということは、上記大学に入学するのと同程度の難易度といえるでしょう。

TOEIC®800点台の偏差値は62.2~68.1

偏差値62.2〜68.1は正規分布で見ると、上位約3.58〜11.51%です。
TOEIC®800点台の英語力の目安や企業の評価は以下の通りです。

項目 評価内容
リーディング力 英文法・英文読解の基礎を習得しており、難易度の高い英文法表現も理解できる。ビジネスメールや英語資料の読解にもあまり抵抗を持たないレベル
リスニング力 難解な構文や語彙が使われる文章であっても、文脈から内容を推測し聞き取りができる。ただし、会話スピードが速い、もしくは、前提知識が足りないと内容についていけない場合もある
企業の評価 英語力が重視される部門や、プロジェクトへ配属できるレベル。海外出張など英語を使って活躍できる。外資系企業や、商社への就職も可能

該当の偏差値の大学は?

TOEIC®800点台である偏差値62.2〜68.1の難易度を、大学の偏差値で見てみましょう。

偏差値62.2〜68.1相当レベルの大学には以下のような学校があります。

大学・学部名 大学入試での偏差値
青山学院大学 コミュニティ人間科学部 63~68
徳島大学 薬学部 65~69
九州大学 理学部 62~71

TOEIC®700点台の偏差値は56.3~62.1

偏差値56.3〜62.1は正規分布で見ると、上位約11.51〜27.43%です。
TOEIC®700点台の英語力の目安や企業の評価は以下の通りです。

項目 評価内容
リーディング力 文法と長文読解の基礎を身につけており、リーディングセクションで350点を取得できるレベル。専門分野であれば、分からない単語を調べながら内容を理解できる
リスニング力 リスニングの音声の80%程度を理解できる。ただし、速度が速いネイティブとの会話の場合は聞き取れない部分もある。聞き取れなかった箇所を質問すれば、会話の内容をほぼ理解できるレベル
企業の評価 外資系企業や秘書で海外の人との英語によるコミュニケーションが必要な仕事の場合、TOEIC®700点以上が採用基準となることが多い。貿易事務や、海外営業の業務も選択肢に入る

大学レベルに換算

TOEIC®700点台である偏差値56.3〜62.1の難易度を、大学の偏差値で見てみましょう。

偏差値56.3〜62.1相当レベルの大学には以下のような学校があります。

大学・学部名 大学入試での偏差値
東京芸術大学 音楽学部 53~65
宇都宮大学 国際学部 57
武蔵野大学 グローバル学部 53~57

TOEIC®600点台の偏差値は50.3~56.2

偏差値50.3〜56.2は正規分布で見ると、上位約27.42〜50.00%です。
TOEIC®600点台の英語力の目安や企業の評価は以下の通りです。

項目 評価内容
リーディング力 語彙力の基礎は身についており、短文であれば前後の文脈から推測して理解できるが、英語資料は完璧には理解できない
リスニング力 日常会話で聞かれた単純な質問に対して、簡単な応答ができる。基本的な会話は聞き取れるが、語彙や表現の難易度が高い会話になると聞き取れない。英語の会議に参加して、何となく内容を理解できるレベル。
企業の評価 TOEIC®600点以上は履歴書に記載できるレベル。英語で簡単な業務連絡が可能で英語で最低限のコミュニケーションができる。中堅社員に期待するTOEIC®スコアは620点

参照:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「英語活用実態調査|企業・団体ビジネスパーソン2019」

大学レベルに換算

TOEIC®600点台である偏差値50.3〜56.2の難易度を、大学の偏差値で見てみましょう。

偏差値50.3〜56.2相当レベルの大学には以下のような学校があります。

大学・学部名 大学入試での偏差値
立証大学 経済学部 51~56
東北学院大学 人間科学部 53~55
長崎県立大学 国際社会学部 52~58

TOEIC®500点台以下の偏差値は50.2以下

TOEIC®500点台以下になると、平均である偏差値50をほぼ下回ります。

企業から評価される英語力とはいえませんが、中学、高校の基本文法を復習することで、まずは平均点レベルとされる600点台の偏差値を目指せるでしょう。

TOEIC®500点台

偏差値38.3〜44.4は正規分布で見ると、下位約11.5〜27.3%です。
TOEIC®500点台の英語力の目安や企業の評価は以下の通りです。

項目 評価内容
リーディング力 高校卒業レベルの英語は習得しており、基本文法は理解している。表現力に乏しいが、自分の意思を最低限伝えられる語彙力がある
リスニング力 リスニング音声全てを聞き取ることはできないが、限定された状況下では、最低限の業務上のコミュニケーションができる
企業の評価 英語が得意という評価にはならない

偏差値38.4~44.3相当レベルの大学には以下のような学校があります。

大学・学部名 大学入試での偏差値
筑波技術大学 産業技術学部 38~41
明海大学 外国語学部 38~44
日本経済大学 経営学部 38~40

TOEIC®400点台

偏差値32.6~38.4は正規分布で見ると、下位約3.5〜11.4%です。
TOEIC®400点台の英語力の目安や企業の評価は以下の通りです。

項目 評価内容
リーディング力 高校レベルの文法や単語の理解が不足している。英語力の基礎の土台ができていない。分からない語彙が多く、文法は曖昧なレベル
リスニング力 短い文章での質問には解答できるが、長文では難しい
企業の評価 英語初心者レベルであるため、英語力の証明にはならない

偏差値32.6~38.4相当レベルの短期大学には以下のような学校があります。

短期大学名 短期大学入試での偏差値
愛知みずほ短期大学 34~35
滋賀文教短期大学 34

本項目の大学・短期大学偏差値に関わる参照先:Benesse「マナビジョン|Benesseの大学・短期大学・専門学校の受験、進学情報」

TOEIC®と大学の偏差値、どちらが就活で重視される?

人事採用担当者は、履歴書の以下のポイントを重視します。

  • 学歴
  • 職歴
  • 資格
  • 志望動機

募集要項で「学歴不問」とうたっている企業もありますが、新卒採用の場合は、偏差値が高い大学出身のほうが高く評価されがちです。新卒者は職務経験がまだないため、学歴が採用に影響しやすいのでしょう。

一方、中途採用の場合は、学歴より前職の職歴のほうが重視されます。即戦力として働くことができる実務能力があるかどうかが採用のカギを握るといっても過言ではありません。

履歴書の資格欄に記載できるTOEIC®スコアは、600点以上といわれています。ただし、本記事で解説したように、英語を使った業務の採用試験の場合、600点では必ずしも好印象になるとは限りません。

英語力が必要な業界や業務の求人の場合、採用条件に指定のTOEIC®スコアが明記されていることがありますので、それらも参考にしてください。

TOEIC®で換算できる偏差値は英語力向上のための指標として利用しよう

本記事では、TOEIC®スコアを偏差値に換算する方法や、各偏差値の英語レベルを解説しました。

偏差値は、高校受験や大学受験の志望校の難易度を表す指標として一般的に認識されていますが、TOEIC®のスコアを偏差値に換算すれば、自分の英語力のレベルを測る指標にもなるのです。

自分のTOEIC®︎スコアが総受験者数のうちどのあたりのレベルに位置しているかが分かれば、目標スコアまでどの程度の学習が必要なのかの目安が分かります。

ただし、TOEIC®のスコアから換算した偏差値はあくまでも英語力の向上のための目安指標として利用しましょう。

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