学習コラムColumn
海外で働きたいと思っている日本人は、世界的に流行した感染症の影響で変動はあるものの、これまでと比較すると増加傾向です。
実際に外務省のデータから、長期滞在者と永住者合わせて2013年には1,258,263人に対し、2019年には1,410,356人へと増加しています。
海外で働く方法にはどのようなものがあるか、海外で働くためには何が必要か、求められる語学力のレベルはどれくらいかについて知りたい方もいるでしょう。
本記事では、海外で働く方法、海外でのキャリアを実現させるために必要なこと、するべき準備、求められる語学力や、おすすめの職種6種について解説をしていきます。
海外で働く方法は?
海外で働く方法には下記があります。
- 日系企業に就職し海外赴任する
- 海外の現地企業に就職する
- ノマドワーカーになる
- 国際機関で働く
それぞれの方法について見ていきましょう。
日系企業に就職し海外赴任する
海外で働く方法として、商社やメーカーといった海外勤務が可能な日系グローバル企業に就職するという手段があります。
社内で評価される人材になれば、海外勤務の機会を勝ち取れる可能性があるでしょう。
日系企業で海外赴任を実現させる方法は下記の2つです。
- 海外駐在員として指名される
- 社内での公募に合格する
ただし、赴任先になる国や時期、期間、仕事内容は、基本的に会社によって決められます。
海外の現地企業に就職する
まったく訪れたことのない国への就職ももちろんありますが、留学・ワーキングホリデーで滞在していた国の現地企業へ就職することも、海外で働く方法の1つです。
留学・ワーキングホリデーで滞在していた国への就職について見ていきましょう。
海外に留学して現地で就職する
海外で働く上で必要になる実践的な英語でのコミュニケーション能力を留学中に身につけ、現地企業への就職を実現させます。
就労ビザを取得するためには、現地企業に就職していることが条件であることが一般的です。
現地企業に就職後に就労ビザを取得できれば、学生ビザが失効した後でも現地に滞在できます。
ただし、ビザの発給条件や取得方法は国によって異なるので、日本国内にある留学先の国の大使館などで必ず事前確認しておきましょう。
ワーキングホリデーで働いた後、現地で就職する
ワーキングホリデーとは、18~30歳の人が、海外で休暇を楽しみながら、一定の労働をして滞在費用を稼いだり、語学を学んだりできる海外留学制度のことです。
現地で仕事を得るための方法として次があります。
- インターンシップを利用する
- 現地とのコネクションがある日系の転職エージェントを活用する
- 求人サイト(現地・日本)を使う
- 専門スキルや日本人であることが強みになる仕事を探す
ワーキングホリデー後に現地就職を目指す場合は、ネイティブレベルの英語力と、仕事に必要な専門スキルを身につけておく必要があります。
ノマドワーカーになる
ノマドワーカーとは、ノートPCやスマートフォンを使って、場所に縛られない働き方をしている人のことです。
ノマドワーカーであれば、海外に在住しながら働くことができます。特に、プログラマーやデザイナーの仕事は海外を拠点にしたノマドワークに向いている仕事と言われています。
しかし、観光ビザやビザなしで外国に長期滞在することは基本的にできません。そのため、半年から数年の滞在期間を持つ「デジタルノマドビザ」制度がある国を滞在先に選ぶとよいでしょう。
デジタルノマドビザとは、安定収入があるノマドワーカーに滞在許可を与えることで、国内消費を促進するための制度です。
仕事のスキルと語学力があれば、ノマドワーカーとして海外で働ける可能性があるでしょう。
国際機関で働く
国連や国際NGOなどの国際機関で働くことを目指す道もあります。
国際NGOとは、市民が国際協力のために運営している非政府組織のことです。国際NGOには、赤十字社やセーブ・ザ・チルドレンなどがあります。
国連も国際NGOも、職員になるためのハードルは高いです。高い語学力と、自分が仕事をする分野での専門知識と経験、さらには、修士号以上の学歴が必要になります。
しかし、狭き門であるからこそ、国際的にステータスのあるポジションが得られ、グローバルな職場環境で活躍できるという魅力があります。
海外で働くために必要なこと
海外で働くために必要なことは、語学力を身につけることと就労ビザを取得することです。
海外で働くために必要な語学力はどれくらいか、就労ビザを取得する際に気をつけるべきことは何かについて、それぞれ見ていきましょう。
語学力を身につける
海外で働くためには、コミュニケーションに必須な共通言語を身につける必要があります。
仕事で求められる語学力は、職種によって異なります。
フードデリバリーや日本料理店の店員であればそれ程高い語学力は求められませんが、日系企業の海外駐在員であれば、ビジネスレベル以上の語学力が必要です。
参考までにお伝えすると、TOEIC®の実施運営団体である国際ビジネスコミュニケーション協会では、大きな支障なく仕事ができる英語力の目安をTOEIC®730点としています。
より生活しやすくするためには、最終的には「Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる」とされるTOEIC®860点以上の英語力を身につけるとよいでしょう。TOEIC®︎800点以上を狙うには、現在の英語力にもよりますが、多くの学習時間が必要です。
参照:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「PROFICIENCY SCALE TOEIC® スコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」
就労ビザを取得する
日本で働く外国人と同様に、日本人が海外で働くためには、就職先の国で就労内容に応じた就労ビザを取得する必要があります。
出入国管理制度は国によって異なり、就労ビザの種類や取得条件も様々です。
自分に必要な就労ビザと申請手続について、就職先の国の駐日大使館のホームページなどであらかじめ確認をしておきましょう。
また、国によって就労ビザ取得に必要な費用や、発給までにかかる期間も異なります。数日間で就労ビザが発給される国もあれば、数カ月かかる国もあります。
就労ビザの取得申請は、余裕のあるスケジュールで、就職先の会社や行政書士などの専門家としっかりコミュニケーションを取りながら進めていきましょう。
海外で働きたい場合の国選びのポイント
渡航先の国を選ぶ上で確認すべきポイントは3つあります。
- 就労ビザ取得の難易度はどれくらいか
- 現地で使用する言語は何か
- 現地の治安・衛生・生活環境はどうなっているか
それぞれについて見ていきましょう。
就労ビザの難易度
働きたい国を選ぶ際にまず確認しておくべきこととして、就労ビザの取得難易度が挙げられます。
就労ビザを取得するためには、就職を希望する国がビザ取得のために定めている全ての条件を満たしていることが必要です。
就労ビザには、雇用方法、職種、ポジションによって様々な種類があります。取得のための条件や就労ビザのタイプも、国によって異なります。
また、就労ビザの取得申請は現地企業に内定が決まってから行うことが多いです。
内定が決まってから就業ビザの取得条件を満たしていなかったなどということが起きないよう、就職先の国を選ぶ段階で就労ビザの取得条件は必ず確認しておきましょう。
特に、アメリカでは就労ビザの審査が年々厳しくなってきています。例えば、「H-1B」と呼ばれる専門職を対象にしたビザは、審査ルールの改正により、賃金が高い人から優先的に支給されるようになっています。
就労ビザ取得の難易度は、渡航先の国の政治・経済状況によって変わることもあるので、最新の状況を確認した上で渡航先を選びましょう。
現地で使用する言語は何か
渡航先を選ぶ上で、現地での共通言語と、職場での共通言語が何かを確認しておく必要があります。
具体的には、以下の2つを確認します。
- 渡航先の公用語を覚える必要はあるか、英語や日本語はどれくらい通じるか
- 業務で求められる言語は何語で、どれくらいの語学レベルが求められるか
習熟度にもよりますが、渡航先には多くの日本人が親しんできている英語を共通言語にしている国がおすすめです。
英語力に不安がある方は、グループコーチングで英語が学べる「プレゼンス」で志をともにする人々と語学習得をしていくことをおすすめします。
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治安・衛生・生活環境
渡航先の国の治安や、食事・衛生を含めた生活環境の確認も重要です。
日本は世界的に見ても治安がよく、衛生・生活環境が整っていますが、一歩海外に出れば環境は変わります。
日本より治安が悪い国もあり、たとえ比較的治安の良い地域に住んでいてもスリやひったくりに遭うリスクがあります。
また、衛生環境の良くない国だと、食べ物や水にも気をつけなければいけません。
気候や住環境なども含め、生活環境は仕事のパフォーマンスだけでなく、心身の健康にも影響を及ぼすため、事前に調べておくようにしましょう。
外務省の「海外安全ホームページ」で世界の国と地域別の安全情報が確認できるので、参考にしてください。
参照:外務省海外安全ホームページ「国・地域別 海外安全情報」
海外で働くのにおすすめな職種
本項では、海外で働くのにおすすめな職種6種を紹介します。
- ITエンジニア
- 料理人
- 保育士
- ホテルマン
- 客室乗務員(CA)
- 日本語教師
それぞれ理由を見ていきましょう。
ITエンジニア
IT人材の需要は海外でも高く、求人件数はほとんどの国で多くなっています。
システムやコードの仕様は共通している部分が多く、日本で培ったスキルと経験をそのまま活かすことが可能です。
また、海外のITエンジニア職は、物価などの影響もありますが、一般的に日本より平均年収が高いことも魅力です。
さらに、国によってはITエンジニアに対して、専門職としての就労ビザを発給している場合があります。
そうした国を選び、ITエンジニアとしての十分な実績があれば比較的簡単に就労ビザを取得できるでしょう。
料理人
日本食は世界中で親しまれており、農林水産省の2021年のデータによると、2021年の海外における日本食レストランの店舗数は2019年と比較しても増加傾向にあります。具体的な数としては、15.6万店から15.9万店の微増となっていますが、各国に多くの日本食レストランが存在していることが分かります。
料理人の仕事は接客をする機会が比較的少ないため、高い語学力を求められない場合が多いです。お店によっては英語力が要求されないこともあります。
しかし、来店者は本場の味を期待しているので、料理人としての技術が必要です。飲食店で実務経験を積んだり、調理師免許を取得していると、採用される確率が高くなるでしょう。
保育士
日本人が多い国や都市では、現地在住の日本人の子供を対象にする保育園があります。
日本人の子供と家族を相手にする保育士の仕事であれば、日本語以外の語学力が問われないケースもあります。
また、保育士は専門職扱いとなるため就労ビザの取得が比較的容易であるというメリットもあります。
求人の中には日本の保育士資格が必須でないものもあるので、子供好きの人にはおすすめの仕事です。
ホテルマン
日本人の国民性である細やかな気遣いは、海外でホテルマンとして働く上で武器になります。
また、日本人観光客への接客対応の仕事であれば、現地の言葉に多少不慣れでも問題ないとされることが多いです。ただし、外国人の宿泊客が多いホテルでは、仕事をする上で十分な語学力が求められます。
特別な資格がなくてもホテルへの就職は可能です。しかし、フロントや調理担当、または、グレードの高いホテルの求人は実務経験を必須としていることが多いです。
日本で実務経験を積んで、さらに語学力を向上させておけば、海外のホテルへの就職を実現させられる可能性は高くなるでしょう。
客室乗務員(CA)
客室乗務員(CA)の主な仕事は乗客へのサービスと機内の保安業務です。
日系と外資系の航空会社で、採用の形式は異なります。外資系の航空会社は新卒と中途の採用を分けていないため、挑戦しやすいことが特徴です。特別な資格も必要ありません。
ただし、即戦力採用のため、経験者が優遇される傾向にあります。
業務で使う共通語と専門用語は英語になるため、仕事をする上で十分な英語力を身につけておくことが必要です。
日本語教師
日本語教師は、海外の教育機関や、日本語学校などで日本語を教える仕事です。
海外で日本語を学ぶ人は多いため、日本語教師への需要は高いです。日系人の多い地域や国には日本人学校があることが多く、学校によっては日本語教師の採用枠もあります。
資格がなくても海外で日本語教師になれる場合もあります。しかし、実際には「日本語教育を大学、または、大学院で専攻・修了していること」や「日本語教育能力検定試験の合格者であること」、「学士の学位をもち、文化庁認定の日本語教師養成講座(420時間)を修了する」のいずれかが採用条件にされる傾向があります。
日本語での授業が多いですが、現地語で行うこともあるため、現地語の習得は必須といえるでしょう。
自分に合った海外での働き方を探そう
海外で働くことを実現させる方法は様々です。
日本企業の海外駐在員になったり、現地の企業に直接就職したり、ノマドワーカーとして場所にとらわれない働き方をしたりする方法があります。
また、留学やワーキングホリデー終了後に、そのまま現地での就職を目指すことも可能です。
しかし、働く方法にかかわらず、語学力を身につけることと就労ビザを取得することは必要です。
渡航先の国は、自分の志向、現地の共通語、ビザ取得難易度、生活環境などを総合的に判断した上で選ぶようにしましょう。
自分に合った海外での働き方を見つけることが大切です。
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英語は多くの国で共通語とされている言語です。
海外、特に英語圏で働くためには、ほとんどの場合で一定以上の英語力があることが求められます。また、入管やビザ関連・役所の手続きなどの書面対応は英語で記載されることが一般的です。
海外で働くための英語力を身につけたい方は、ぜひ、「プレゼンス」の英語コーチングの利用をご検討ください。
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