TOEIC®︎と英検を比較!スコアの換算や難易度・試験の違いとは

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TOEIC®︎と英検は英語の能力を測るテストで、どちらも日本で広く認知されています。

TOEIC®︎は英語コミュニケーション能力を測るテストで、合計10〜990点の5点刻みでスコアが与えられます。

結果は合格・不合格ではなくスコアの評価で、現時点の英語力を正確に把握できるため、多くの学生やビジネスパーソンに人気の英語能力テストです。

TOEIC®︎と表記されるのはTOEIC®︎ Listening & Reading Testsを指すことが一般的で、TOEIC®︎ L&Rと呼ばれます。

一方の英検は、小学生から社会人まで幅広い年齢層を対象とした英語検定試験です。学習レベルに応じて7つの級が設定されています。

英検では合格・不合格が判定され、級によって問題の内容やレベルも変わります。

この記事では、TOEIC®︎ L&Rと英検の違いや、スコア換算表からどちらが難しいかを解説します。

【換算表】TOEIC®︎と英検のスコア比較

文部科学省「各試験・検定試験とCEFRとの対照表」を参考に、TOEIC®︎ L&Rと英検のスコアを比較します。

CEFRとは、「Common European Framework of Reference for Languages」の略称で、ヨーロッパ言語圏で使われる、語学レベルの指標を示す国際標準規格です。

CEFRが示している6段階の共通参照レベルは以下の通りです。

熟練した
言語使用者
C2 聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができる。いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる。
C1 いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の、詳細な文章を作ることができる。
自立した
言語使用者
B2 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について明確で詳細な文章を作ることができる。
B1 仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。
基礎段階の
言語使用者
A2 ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。
A1 具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。

引用:文部科学省「大学入試英語成績提供システム参加予定の資格・検定試験とCEFRとの対照表」

C2が最も高い英語レベルであり、A1が最も低くなります。このCEFRをもとにTOEIC®︎ L&Rと英検のスコアを比較すると以下のようになります。

ただしTOEIC®︎と英検では出題形式や出題される語彙など違いがあるため、必ず同等のレベルにあると言い切れるものではありません。

CEFR TOEIC®L&R 英検
Listening Reading L+R CSEスコア
C2 3,300点〜4,000点
C1 490点〜 455点〜 945点〜990点 1級 2,600点~3,299点
B2 400点〜485点 385点〜450点 785点〜935点 準1級・1級 2,300点〜2,599点
B1 275点〜395点 275点〜380点 550点〜775点 2級・準1級 1,950点〜2,299点
A2 110点〜270点 115点〜270点 225点〜540点 準2級・2級 1,700点〜1,949点
A1 60点〜105点 60点〜110点 120点〜215点 3級・準2級 1,400点〜1,699点

TOEIC®︎ L&Rのスコアはリスニングとリーディングの合計から算出されます。一方、英検では受験級によってCEFRレベルを算出するための「英検CSEスコア」を定めています。

どちらのテストも最大スコアを取ったとしてもCEFRではC1レベルまでになります。

TOEIC®︎ L&Rで945点〜990点の場合には、英検1級レベルに相当し、そのCSEスコアは2600点〜3299点で、CEFRのC1レベルに該当します。

TOEIC®︎ L&Rで785点〜935点では英検準1級・1級、TOEIC®︎ L&Rで550点〜775点では英検2級・準1級レベルです。なお、英検4級・5級はCEFR算出範囲外であるため、CEFRレベルには該当しません。

参照:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC® Program各テストスコアとCEFRとの対照表」

参照:公益財団法人日本英語検定協会「英検CSEスコアとは」

英検取得者のTOEIC®︎スコア

一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会の「TOEIC®スコアと英検1級取得者の関係」をもとに、英検取得者のTOEIC®︎ L&Rスコアを各級ごとに比較してみましょう。

※各点数帯の具体的な人数は明示されていないため、割合についてはあくまで参考値になります。

英検1級合格者のTOEIC®︎スコア分布

英検1級とTOEICスコアの関係
英検1級合格者で最も多いスコア帯はTOEIC®︎895点以上となり、全体の約45%を占めています。平均スコアもTOEIC®︎800点を超えており、英検1級の難易度は高いといえるでしょう。

英検準1級合格者のTOEIC®︎スコア分布

英検2級とTOEICスコアの関係

英検準1級合格者の最も多いスコア帯はTOEIC®︎745点〜790点で、全体の約19%です。平均スコアもTOEIC®︎732点と高水準です。

英検2級合格者のTOEIC®︎スコア分布

英検準2級とTOEICスコアの関係

英検2級合格者はTOEIC®︎445点〜490点が約20%と最も多くなっています。

次に多いスコア帯がTOEIC®︎495点〜540点で約17%、TOEIC®︎545点〜590点が約16%と続きます。英検2級合格者の平均スコアはTOEIC®︎517点です。

英検準2級合格者のTOEIC®︎スコア分布

英検準2級とTOEICスコアの関係

英検準2級合格者のうち約25%の人がTOEIC®︎スコア345点〜390点を獲得しています。英検準2級合格者の平均スコアはTOEIC®︎392点となります。

英検3級合格者のTOEIC®︎スコア分布

英検3級とTOEICの関係

英検3級合格者のうち約20%の人がTOEIC®︎スコア245点〜290点で、平均スコアはTOEIC®︎365点と低くなっています。

参照:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC®スコアと英検1級取得者の関係」

TOEIC®︎と英検の試験内容の違い

TOEIC®︎ L&Rと英検はどちらも英語能力を測るテストですが、試験内容には多くの違いがあります。

TOEIC®︎ L&Rと英検の試験内容の違いを、単語・文法・リーディング・リスニング・スピーキングごとに解説します。

単語の違い

TOEIC®︎ L&Rの試験は全て共通で、単語の範囲はビジネスシーンや日常会話で使うものが多数出題されます。

英検は級によって出題される単語のレベルが変わるためレベルに応じて対策が必要で、生物や科学など特定ジャンルに特化した単語も出題されます。

文法の違い

TOEIC®︎ L&Rの文法問題はPart5(短文穴埋め問題)で出題され、動詞の変化形や関係代名詞、仮定法など文法に対する理解力と適切な単語を選ぶ語彙力が必要です。

英検では、穴埋め問題のような文法知識が問われる設問はありませんが、級に応じた文法力を備えておく必要があります。

リーディングセクションの違い

TOEIC®︎ L&Rのリーディングセクションでは75分間に100問と多くの問題が出題されるため、膨大な文章の中から答えを素早く導くリーディング力と情報処理能力が必要になります。

また、問題数が多いことから時間配分も重要なポイントとなります。英検では読み解く文章量がTOEIC®︎ L&Rほどではないため、丁寧に読み解く精読力を鍛えておきましょう。

リスニングセクションの違い

TOEIC®︎ L&Rのリスニング問題は、約45分間に100問がPart1〜Part4で出題されます。

1枚の写真について4つの短い説明文が放送されるPart1(写真描写問題)、1つの文章とそれに対する3つの答えが放送されるPart2(応答問題)、2人または3人の会話が放送されるPart3(会話問題)、アナウンスやナレーションのようなミニトークが放送されるPart4(説明文問題)で構成されています。

どの問題も1度だけ放送され、最もふさわしい答えを選び解答用紙にマークします。英検のリスニングは級によって出題形式が異なり、日常会話からアカデミックなものまで様々です。

スピーキングセクションの違い

TOEIC®︎として一般的な「TOEIC®︎ L&R」では、スピーキング問題は出題されません。

ちなみに、TOEIC®︎においてスピーキング力を測るテストには「TOEIC® Speaking Test」「TOEIC® Speaking & Writing Tests」「TOEIC Bridge® Speaking & Writing Tests」の3つがあります。

英検のスピーキングは、上位の級(1級・準1級・2級・準2級・3級)の2次試験に、面接形式で出題されます。2016年度第1回検定より4級・5級でもスピーキングテスト(1次試験とは別の任意テスト)が導入されています。

TOEIC®︎と英検の勉強法の違い

TOEIC®︎ L&Rと英検はどちらも英語力を測るテストでありながら、勉強法には違いがあります。

TOEIC®︎ L&Rと英検の勉強法をそれぞれ見ていきましょう。

TOEIC®︎の勉強法

TOEIC® L&Rはリスニングとリーディングを測るテストであるため、聞く力と読む力が問われます。

公式問題集を解き単語や文法を毎日勉強することが基本となり、時間がある時には長文を解いたり、本番を意識した問題演習を行うのも効果的です。

単語を覚える場合には、TOEIC®用の単語帳を使うのがポイントで、「会議や発注などのビジネスシーン」「買い物や銀行手続きなどの日常シーン」で頻出する単語など、TOEIC®特有の単語の癖をつかみましょう。

英文法は中学レベルの英文法から丁寧に勉強し、土台ができたら高校レベルまで引き上げて勉強し、リーディングでは長文をスラスラと読めるまで音読、リスニングでは公式問題集の音声とスクリプト(音声の原稿)を活用するのがおすすめです。

英検の勉強法

英検の勉強法英検は受ける級によって問題が変わります。

単語は級に合わせたものを覚え、英検で頻出する医療やテクノロジーなど、日常ではあまり使用しない単語もチェックしておきましょう。

題材や話題になりやすいのは、家庭、学校、職場、地域、科学、自然・環境、医療、テクノロジー、ビジネスなどです。英文法も級に合わせた文法を理解することが大切です。

例えば準2級は高校2年まで、2級は高校卒業時までに習う文法が出題範囲となっています。長文のリーディングでは一語づつ読むのではなく、パラグラフ(文章の段落や節)単位で意味を把握し、文章全体の流れをイメージすることが大切です。

ライティング、リスニング、2次試験のスピーキングともに、英検特有の出題傾向をつかんで反復学習するのが効果的です。英検では英語の基本4技能である「聞く・話す・読む・書く」力を総合的に養う必要があります。

TOEIC®︎と英検、どちらが難しいのか

TOEIC® L&Rと英検は特徴の違う英語能力テストであるためそれぞれの難しさがあり、一概に難易度の比較はできませんが、覚える単語量は英検のほうが多いとされています。

TOEIC® L&Rはビジネスシーンや日常生活シーンで用いる単語が多く、英検ではそれにプラスしてアカデミックな分野の単語も出題されます。

英検の単語は、級によってより専門的な芸術、文化、歴史、テクノロジーなども追加されていくのが特徴です。

さらに英検3級以上では、一次試験の合格者が後日受ける試験である二次試験でスピーキングが加わるため、リーディングとライティングだけのTOEIC® L&Rよりもテスト対策の範囲が広くなります。

TOEIC®︎と英検どちらが役立つ?

大学受験や就職・転職活動、昇進・昇格においてTOEIC® L&Rと英検では役立つシーンが変わります。

TOEIC® L&Rと英検のどちらが役立つのか、シーン別に見ていきましょう。

大学受験の場合

国内の大学を受験する場合にはTOEIC® L&Rと英検どちらも役立ちます。

「TOEIC® Program 大学入学試験における活用状況【2022年度】」によるとTOEIC® L&Rを活用している大学は236校で、基準スコアは大学・学部・学科によって変わります。

英検の場合には、入試における内申点の加点や試験免除が認められています。

大学入試で活用する場合には、最低でも英検2級以上を目指しましょう。国外の大学ではTOEIC® L&R・英検ともに知名度は低いですが、英検には「英検留学」があります。

北米を含む約400の大学・カレッジに英検のスコアを利用して留学することが可能です。

参考:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC® Program 大学入学試験における活用状況【2022年度】」

参考:公益財団法人日本英語検定協会「英検留学とは?」

就職・転職活動をする場合

英検は企業の間でも高い知名度がありますが、近年の就職・転職では新卒・中途採用にTOEIC® L&Rスコアを考慮する企業が増えています。

企業・団体の約5割が採用時にTOEIC® L&Rスコアを参考にしており、「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」によると、社員・職員に期待するスコアは平均500点〜600点台です。

【社員・職員に期待するTOEIC® Programの平均スコア】新入社員

新入社員 535点
中途社員 560点
技術部門 560点
営業部門 575点
海外部門 690点

690点就職活動でスコアをアピールするためには、まずは600点を目標にしましょう。

英検2級は「​​ビジネスシーンでも採用試験の履歴書などで英語力をアピールでき」、就職・転職で活用できる場合もあります。英検1級は「世界で活躍できる人材の英語力を証明」できるレベルです。

参考:公益財団法人日本英語検定協会「各級の目安」

昇進・昇格を目指す場合

TOEIC® L&Rのスコアを基準として昇進・昇格に利用する企業が増えており、「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」では以下の点数を目安にしています。

項目 係長・主任 課長 部長 役員
スコア 515点 530点 565点 600点

昇進・昇格を目指す場合でも、600点以上のスコアは取っておきたいところです。

英検が直接昇進・昇格に繋がるケースは多くないですが、前述のCEFRをもとにTOEIC®︎ L&Rと英検のスコアを比較した表からも、英検では2級・準1級を取得するのが理想といえます。

参考:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」

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目的に合わせてTOEIC®︎と英検のどちらを受けるか決めよう

TOEIC®︎ L&Rと英検の違いや、スコア換算表からどちらが難しいかを解説しました。TOEIC®︎ L&Rと英検は英語能力を測るテストでありながら強みが違うため、目的によってどちらの試験を受けるべきかを決めましょう。

TOEIC®︎ L&Rと英検はともに参考書を使って独学でスコアを伸ばすこともできますが、短期間でスコアアップを狙う場合には、コーチングがおすすめです。

自分一人では参考書選びを誤ったり、意味のない勉強法を選択する可能性があります。コーチングなら確実に正しい方法でTOEIC®︎ L&Rや英検対策ができます。

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