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『オタクの息子に悩んでます』読後雑感【白井】

DATE:2014/05/23CATEGORY:ブログ
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なんとなく読み始めた本が、想像以上に面白くて驚いた!ということが、たまにありますよね。先日まさにそのような本に遭遇したので紹介しようと思います。

『オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より』 |岡田 斗司夫

ひどいタイトルですね。笑
(でも、超お勧めです!)

この本、タイトルにもある通り朝日新聞で連載されている人生相談とその回答をまとめて書籍化したものです。しかしながら、一読すると、ただの人生相談の回答集ではないことがわかります。著者が回答を完成するまでの「思考プロセス」が極めて丁寧に解説されているのです。

それが、深いのです!驚くほどに深い。相談者のまとまりのない、感情と混乱でぐちゃぐちゃの相談文の断片を手がかりにして、確実に相談者の悩みの本質にたどり着いていく工程が、あまりに分析的で、あまりにも緻密で、「人生相談の為にそこまで真剣勝負なのか!」と驚かされます。そして、最終的に出てくるアドバイスが実に的確で、愛ある言葉であふれているのです。もちろん、愛ゆえに辛口の回答もあります。

一例です。著者のブログに書籍と同様の内容を見つけました。

[悩みのるつぼ]父親が大嫌いです

[悩みのるつぼ]メイキング・オブ「悩みのるつぼ」父親が大嫌いです

このように、その回答に至る思考プロセスが丁寧に解説されているのです。実に面白い!面白いにとどまらず、この考え方を活かしたら、人生の景色が変わりますよ、きっと。
教育に従事されている方は、ぜひ読むべきでしょう。当然、プレゼンスのコーチ陣にも強烈にお勧めしたいです。教育に携わる人でなくても、人とのコミュニケーションをする仕事の方は、学びがたくさんあるはずです。(ということは、ほぼ全ての社会人ですね。)仕事をしていない方でも人間関係が大事だと思っている方にはお勧めです。つまりは、すべての人にとってきっと学びになるでしょう。

私が、この本を通読して学んだことは、数えきれないのですが、あえて言うと、「相手の立場や状況をどれだけ鮮明にイメージできるか」ということが、人とのコミュニケーションにおいては極めて重要なのだということです。

書きながら、コーチとして駆け出しだった頃に出会った、ある受講生の方(女性30代、育児中)との苦い経験を思い出しました。日々、コーチとして相当数の人々と真剣勝負をしています。時には、感情的な意思表示をされる方もゼロではありません。その方もまさにそうでした。彼女曰く

「他の受講生の士気が高くない」
「私はこんなに一生懸命やっているのに、他のメンバーはぬるい」
「コーチは質問をしても答えを教えてくれない(※)」
「疲れてますか?なんて質問されたくないです。私の顔がそんなに疲れていますか?そう思うとゲンナリします」

※コーチングでは、安易に答えを言わずに、まずは受講生に考えてもらう事がよくあります

などなど、辛辣な他者批判とコーチ批判がメールで直接私のメールアドレス宛に届いたことがありました。駆け出しの頃だったこともあり、かなりショックだった事を覚えています。一方で、その言葉があまりにエモーショナルだったので、当時の私が最終的に思ったのは、
「ああ、ずいぶん情緒不安定な方なのだろうな」
という結論でした。丁寧に対応をした結果、トラブルには至りませんでしたが、当時の私は、気持ちのどこかで、自分の責任ではないんだ、と思っていました。

でも、違うんです。今ならわかります。
他責で他者批判をしていたのは、他でもない私でした。
彼女に辛辣な言葉を言わせたのは、きっと私に原因があるのです。

その受講生の方は、育休期間中の方で子育てをしながらお仕事の復帰に向けて英語力を高めるべく、宿題がハードなプレゼンスのコースに通っていました。昼も夜も無く、ほとんどお一人でお子様の面倒を見て、それだけでも大変なのに、プレゼンスの宿題もこなして。職場復帰に漠然とした不安がある中で、外の世界との接点は唯一、週一回の私のクラスだったのでしょう。

その空間において、私の彼女に対する接し方は、正しかったのだろうか。具体的にどんな言動が不適切だった、などとは思いつきません。どのような言葉をかけてあげるべきだったのか、よくわかりません。
でも、間違いなく言えるのは

●もっと、彼女の置かれている状況や彼女の感じている気持ちを想像してあげられたはず

ということです。

それさえあれば、仮に同じ言葉を投げかけていたとしても、彼女の気持ちは満たされていたかもしれません。

きっと、彼女の辛辣な言葉は、「わかってほしい」「認めてほしい」「共感してほしい」というシンプルな思いに過ぎなかったのかもしれません。
当時の私は、それに気づかず、辛辣なメール文言だけを見て相手を評価してしまっていました。

今の自分だったら、彼女の心の声に気づくことは出来るでしょうか。きっと出来たのではないかと思います。そういえば、最近は受講生から上記のような感情的な言葉を受けることはなくなりました。

コーチをすることで、たくさんの方々と接する機会をいただくことで、日々、自分が人間として成長させて頂いていることを強く感じます。これからも、相手の声にならない声を聞いてあげられる人間でありたいと、改めて強く思います。
最後に、本の中から印象に残った言葉をご紹介。
————————————————–
愛とは、「根拠のない信頼」のこと。

 

(白井)

 

 

 



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