特別講演会 ダイジェスト

コミュニケーションに際して心がけている事

山田:言葉に不自由なものがあるとコミュニケーションが億劫になってしまったり、ストレスが溜まると思うのですが、その中で心がけていることは?

那珂:3つあって、まず1つ目は自分のペースに巻き込んでいく努力をすることです。
例えば、今でこそiPhoneとか流行っているけど、昔は日本の携帯は進んでいたから、自分の携帯を見せて自慢したり。日本製のデジカメが小さかったから、わざと見せてメイドインジャパンを自慢することで自分のペースを作ったり。
その他にも富士山、桜、京都、映画とかですね。そういったことを話すことで自分のペースに巻き込んでいきました。

2つ目は、日本にいるとなかなか意識できないだろうけど、海外に出て行くと様々な国の人がいるから、日本の強さや良さを主張することを意識しています。

3つ目は、“何か”を一緒にシェアすることです。
例えば日本の食は世界一なので、食をシェアすることですね。外国の方は牛肉とマグロが大好きだから、日本に来た外国人には必ず食べさせています。
シェアしたことって記憶に残るんですよね。そのうち、那珂さんというと「Mr. トロ」とか、「Mr.神戸ビーフ」と言われるようになりました(笑)。

カジュアルな場面での会話のコツ

山田:なるほど。そういったカジュアルな場面での会話のコツがあれば教えてください。

那珂:そうですね。これも3つあって、まず1つ目は、聞かれる前に自分について話すことです。
外国の方っていうのは日本の文化のことを知りたいし、それ以上にあなたのことを知りたいんですよ。あなたが何を考えているか、あなたには何ができるのかに興味を持っています。

2つ目は、評論家になっていはいけないということ。
注意しないといけないのですが、日本人はネガティブな話が多いんです。できない、良くない、変だ、とか否定的な言葉が実は日本語の中に多い。それを言った瞬間に嫌われてしまいます。人のことばかり話したり、うわさ話ばかりしたり、これらは日本独特の文化なんですが、好かれません。
Be positiveのマインドで、同じ話の内容でもポジティブに話すように心掛けるべきです。

3つ目は、Be ambitiousです。
よく言われるのは日本人は夢がないということ。または何か思っているけど口にしないっていう人が多い。できるできないは関係なく、「こういうことをやっていきたい、成し遂げたい、やろうとしてる」ということを持つこと、そしてそれを伝えること。
感じ方が違うことも勿論あるけど、それは当たり前で、それについて議論したり、会話につながっていくことは非常に価値のあることだし面白いと思いますね。

世界で活躍する日本人の共通点とは?

山田:グローバルに活躍する日本人が備えている共通点って、何かありますか?

那珂:やはり日本が好きだと言うこと。

イチローや、野茂もそうだったように日本の外に出てそういう主張をしているんです。海外に出れば、なおさら日本の良さを感じます。

和やチームプレイ、きめ細やかさ、それはなかなか海外のチームにはないものです。それが日本の強さであり、世界で評価されているところです。芸術の世界でも、日本の文化や繊細さが世界で認められ始めている状況ですからね。

日本の良さを主張すると言ってもどうすれば分からない人は、牛肉とマグロだけでもいいですから(笑)。


山田:では今後目標にされていることは?中国語も勉強されているそうですね。

那珂:金融の世界に23年間いて、やはり英語だけでなく「コミュニケーション力」という意味で痛切に感じていることは、「中国語をやらねば」ということです。

いくつか理由があります。日本は戦後から長い間、欧米志向が強い中で成長してきました。しかしこの2,3年の間にアジアという巨大な市場が生まれ始めています。中国や韓国などそれぞれ個別にではなくアジアという1つのマーケットができたとき、アジアの公用語はおそらく中国語になるでしょう。

その市場の中で中国語ができないことには、非常に危機感を感じています。今年私は48歳になるけど、今からでも遅くないと思っています。来年の今頃は中国語でプレゼンしますよ。 (次ページへ続く